中古物件の購入時に買主が押さえておくべきチェックポイントを解説

中古物件は、新築に比べ価格が安い・建物を確認して購入できるという魅力があります。

しかし、築年数が経過していることから、修繕費が高額になったなど思わぬ落とし穴もあるため事前にチェックが重要になってきます。

とはいえ、家を購入する機会は人生でも数少ないため、何を確認すればいいのか分からないという方も少なくないものす。

この記事では、中古物件購入時に押さえておきたいチェックポイントについて、分かりやすく解説します。

中古物件を選ぶときのチェックポイント

中古物件を選ぶ際には、価格だけでなく建物の状況をしっかり押さえておくことが重要です。

中古物件の場合、権利関係など問題が生じているケースも少なくないので、購入後のトラブルにならないためにも、以下のような項目は必ず確認するようにしましょう。

  • 築年数
  • 売り出し理由
  • 権利関係・境界
  • 再建築やリフォームできるか

築年数

築年数が分かれば、おおよその建物や設備の予想もしやすくなります。

また、築年数は耐震基準にもかかわってきます。

現行の耐震基準は、1981年6月1日以降の「新耐震基準」です。

それ以前は「旧耐震基準」となり、倒壊のリスクが高くなるだけでなく住宅ローンや各種税金控除などでも不利になりやすいので注意しましょう。

ただし、旧耐震基準でも耐震補強しているケースもあるので、リフォーム履歴まで確認することが大切です。

売り出し理由

売り出し理由によっては注意が必要なケースもあるので、確認するようにしましょう。

気にしなくてもいい理由としては、以下のようなものがあります

  • 子どもが生まれたから住み替える
  • 相続した不動産
  • 転勤
  • 離婚
  • 住宅ローンの支払いが難しくなった

上記のような売主の事情が理由であれば、物件自体に問題はないケースがほとんどです。

一方、「日当たりが悪くなった」「住み心地が悪い」「近隣トラブル」などの理由は慎重に検討する必要があります。

とくに、立地が良い・築年数が浅いのに相場よりも安い場合は注意が必要です。

なかには、事故物件というケースもあるので、売主や不動産会社に確認するようにしましょう。

なお、事故物件や建物の不具合は、告知義務があり隠した売却した場合は、契約不適合責任で契約解除などの対応が可能です。

とはいえ、事前に確認しておくと安心して売却に進めやすくなるでしょう。

権利関係・境界

土地の権利や境界線、設定されている抵当権など権利関係は確認しておくことが大切です。

境界線が曖昧だと購入後のトラブルになる恐れがあります。

設定されている権利によっては地代や通行料が発生するというケースもあるので、不動産会社などに確認するようにしましょう。

再建築やリフォームできるか

中古物件の中には、購入後に解体すると新築できない再建築不可物件があります。

また、再建築不可ではないものの間取りや構造が原因で、希望するリフォームができない・できても高額になるというケースも少なくありません。

希望するリフォームができるか・再建築できるかまでしっかり確認するようにしましょう。

中古物件の建物状態に関するチェックポイント

建物状態に関するチェックポイントとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 外壁や基礎のひび割れ
  • 床の傾き
  • 雨漏りや水漏れ
  • 修繕やメンテナンス履歴

外壁や基礎のひび割れ

外壁や基礎部分にひび割れがあると、購入後にひび割れが進み倒壊などのリスクが高まります。

ひび割れが入っていることは、建物の経年劣化が進んでいることも予測できるでしょう。

また、外壁や基礎にひび割れがあると、修繕費用も高くなる恐れがあるので注意が必要です。

床の傾き

床の傾きがある住宅に長時間いると、健康被害につながる恐れがあります。

購入後に床の傾きを修繕するとなると大規模なリフォームが必要になり、費用も高額になってくるものです。

床だけでなくドアや窓がスムーズに開閉できない場合も、ゆがみがある恐れがあるので確認しましょう。

違和感を感じるようなら水平器などで確認することをおすすめします。

雨漏りや水漏れ

雨漏りや水漏れがある物件は、老朽化が進んでおり構造自体に問題がある可能性があります。

そのまま放置していると、生活に支障が出るだけでなく構造部分の腐食など耐久性にも影響が出てくるでしょう。

天井や窓付近にカビが発生している場合も、結露や雨漏りなどが心配なため状況を確認する必要があります。

修繕やメンテナンス履歴

物件が適切に管理されているか、修繕やメンテナンス履歴をチェックすることで把握できます。

また、前回の施工状況から購入後の次のメンテナンス時期や費用も予測できるでしょう。

反対に、これまで適切に管理されていない場合、老朽化が進み購入時や購入後にメンテナンスコストがかさむ恐れがあります。

中古物件の周辺環境に関するチェックポイント

中古物件を一度購入すると、簡単には引っ越しできないものです。

そのため、建物だけでなく周辺環境までしっかりと確認する必要があります。

周辺環境では以下の3つをチェックするようにしましょう。

  • 生活施設や交通アクセス
  • 治安・災害リスク
  • 近隣トラブル

生活施設や交通アクセス

スーパーや病院など生活に必要な施設が近隣にあれば、便利に暮らしやすくなります。

また、交通アクセスが良いことも重要です。

当面は車で多少交通アクセスが悪くても気にならないという場合でも、高齢になってから車を使わない生活では不便になる可能性もあるでしょう。

生活に必要な施設などは、家族構成によっても異なるものです。

たとえば、子どもがいれば学校や公園、高齢なら病院や役所などが近くにあれば利便性が良くなります。

自分の家族にとってどんな施設が周りにあればよいか、リストアップしておくとチェックしやすくなるでしょう。

チェックする際には、できるだけ自分の足で歩いて回ることも重要です。

近いと思っていたけど坂道ばかりで大変・交通量が多くて危険というケースは少なくないので注意が必要です。

治安・災害リスク

長く安心して暮らすためには、治安の良さや災害への強さも重要です。

周辺を歩いてチェックした際に、掲示板や縦看板で防犯を喚起するような広告が多いエリアは気を付ける必要があるでしょう。

治安についてはインターネットで「地名 治安」で検索すると口コミなどをチェックできます。

災害リスクは、自治体の発行するハザードマップで確認できるので事前に調べておくことをおすすめします。

近隣トラブル

騒音やゴミ問題・人間関係など近隣トラブルが発生すると、日々の生活にストレスを感じやすくなります。

周辺に問題となりそうな住民がいないかなど確認するようにしましょう。

また、町内会など地域の交流が盛んかどうかも聞いておくことをおすすめします。

昔ながらのコミュニティに参加するのが苦手な人も少なくはないので、生活環境としてどうかは確認しておくことが大切です。

中古物件の価格と費用面のチェックポイント

中古物件は新築に比べて価格を抑えられるとはいえ、大きなお金が動く取引です。

自身の資金状況を踏まえて、資金計画を慎重に立てる必要があります。

中古物件を検討する際には、以下のような点は必ず確認するようにしましょう。

  • 相場に対して適切な物件価格か
  • 修繕費用がどれくらい必要か
  • 住宅ローンを利用できる物件か

相場に対して適切な物件価格か

中古物件の売り出し価格は、売主が自由に決められます。

基本的には、相場を踏まえた価格を設定していますが、相場よりも高値というケースも少なくないでしょう。

相場より高値で買って「もっと安く買えたはずだったのに」とならないためにも、事前に相場を押さえておくことが大切です。

また、相場よりも極端に安すぎる物件も、何かしら問題があるケースがあるので安い理由まで確認するようにしましょう。

修繕費用にどれくらい必要か

中古物件では、物件の購入費用を抑えられても修繕費用が高くなる可能性があります。

とくに、築年数が古いなど大規模なリフォームが必要なケースには注意しましょう

建物の状態を正確に把握し、どれくらいリフォームが必要かまで考慮して資金計画を立てることが重要です。

購入後に修繕費用を別途計画するとなると、資金計画が立てにくくなります。

その場合は、買取再販物件を選択肢に入れるとよいでしょう。

リフォームまでした状態で売られているので、購入後のリフォーム費用がかかる心配がなく資金契約を立てやすくなります。

初期費用はリフォームなしの物件よりも高くなりがちですが、リフォーム費用が必要ない分トータルではお得になるケースもあるでしょう。

住宅ローンを利用できる物件か

中古物件によっては、住宅ローンが利用できない・審査に不利になりやすい物件もあります。

とくに、下記のような物件は注意が必要です。

  • 旧耐震基準
  • 再建築不可物件
  • 築年数が古く担保評価が低い

住宅ローンで購入を検討している場合、住宅ローンが利用できないとなると大きく資金計画が崩れてしまい購入を断念することになりかねません。

事前に、住宅ローンを利用できるような物件かも確認しておくようにしましょう。

中古物件の内見時に押さえておきたいチェックポイント

中古物件購入前には、基本的に内見を行って建物を確認します。

ただ、内見時に何を見ればいいのかを理解しておかないと、内見したけどよく分からないとなりかねません。

ここでは、内見時のチェックポイントを「室内」「外観」「その他」に分けて紹介するので参考にしてください。

室内のチェックポイント

室内でチェックしておきたいポイントは、以下の通りです。

  • 間取り・部屋の向き
  • 水回り
  • 収納スペース
  • 内装・設備
  • 臭いや汚れ
  • 床や柱の傾き・歪み
  • 日当たりや眺望・風通し
  • 騒音

部屋の向きや間取りは、リフォームでも改善しにくい部分です。

日当たりや希望する家具が設置できるという視点でサイズ感なども確かめておくと購入後に家具が設置できないという失敗を防ぎやすくなるでしょう。

臭いや汚れ具合によっては、購入後にリフォームが必要になります。

水シミやカビがある場合は、雨漏りや結露の心配もあるので確認することが大切です。

とくに、床の傾きや設備の劣化などの大掛かりなリフォームが必要になる箇所や、日当たりや騒音などリフォームで改善しにくい点は入念に確認しておくようにしましょう。

外観のチェックポイント

外観のチェックポイントは、以下の通りです。

  • 外壁のひび
  • 基礎のひびや隙間
  • 屋根と軒下・雨どいの傷み

外観では、前述した建物の状態に関わる部分をチェックしていきましょう。

外壁や屋根はすぐに塗り替えが必要となると費用が高額になります。

また、ひび割れが入った状態では外観だけでなく内部の劣化が進行している可能性も高いでしょう。

屋根や壁の内部など目で見て確認しにくい部分は、プロのチェックであるホームインスペクションを検討するのも一つの手です。

その他チェックポイント

その他チェックポイントとしては、以下のようなことが挙げられます。

  • 周辺環境
  • ガスや排水の種類
  • リフォームや再建築できるか
  • 設備などの不具合とリフォーム歴

ガスや排水にも種類があり、使用しているものによって費用やメンテナンスが異なります。

希望の種類に変更しようとすると大掛かりになる場合や変更できないケースもあるので、確認するようにしましょう。

また、売主や不動産会社に不具合がないかを確認することが大切です。

中古物件の場合、リフォームしているケースも少なくないので、リフォーム履歴とあわせて確認すると、購入後のリフォーム計画が立てやすくなります。

まとめ

中古物件は建物を見たうえで検討できるという魅力がありますが、チェックが漏れてしまうと購入後に後悔する恐れもあるものです。

とくに、築年数が進んでいると大規模なリフォームが必要だった・トラブルがあったとなりかねないので、ポイントを押さえて入念にチェックするようにしましょう。

中古物件の購入前に今住んでいる家の売却を検討しているなら、買取がおすすめです。

短期間で売却できるので、スムーズな住み替えを実現しやすいでしょう。

このびはJR西日本グループの不動産買取再販サービス

このびでは、地域で大切に使われてきた家を買取して新しい形に生まれ変わらせ次の家族にバトンタッチするお手伝いをしています。

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スムーズな売却ができれば、次の新居選びの選択肢も広がるでしょう。

家の売却を検討しているなら、まずはお気軽にご相談ください。

本記事の監修

戸建買取再販事業部 事業部長森一也

鉄道を通じて地域の発展に貢献したいとの思いから、JR西日本に入社後、鉄道電気設備の維持・管理業務に携わる。
鉄道だけでなく幅広く地域の発展に貢献したいとの想いから、不動産の買取再販を行うこのびに参画。
鉄道業務で培った高い安全性・信頼性を自身の価値観とし、お客様との信頼関係構築を第一に、一人ひとりに寄り添った提案をすることを大切にしている。
このびでは営業・リフォーム・販売の経験を持ち、現在は事業統括・推進を行っている。
「このび」を通じてお客様に豊かな生活を提供することで、地域の発展に貢献したいと考えている。
子育て真っ盛りの1児の父。趣味はキャンプ。

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