不動産会社買取会社に売却する際のメリット・デメリット・向いているケースについて徹底解説

今回の記事では不動産買取業者に売却する際のメリット・デメリット及びそれぞれに向いているケースについて解説していきます。

不動産買取業者とは直接不動産を買取、解体して新築したりリノベーション等の工事を行い売却するという事業を行う会社の事です。

今回の記事では以下のような流れに沿って解説していきます。

  • 不動産買取業者への売却の流れについて
  • 不動産買取業者への売却のメリット
  • 不動産買取業者への売却のデメリット
  • 不動産買取に向いているケース

ここからはそれぞれについて解説していきます。

不動産買取業者への売却の流れについて

不動産買取業者へ売却する際の流れについては以下の通りとなります。

  • 必要書類の準備
  • 相場を調べる
  • 査定依頼する
  • 売買契約の締結
  • 引き渡しの準備
  • 決済を行う

ここからはそれぞれについて解説していきます。

必要書類の準備

不動産の売買では複数の重要書類の準備が必要となります。以下一例として紹介していきます。

項目書類例
共通登記済証(権利証)または登記識別情報通知書
印鑑証明書(引渡時の3ヶ月以内に発行の物)
固定資産税評価証明書
固定資産税・都市計画税納税通知書
住民票
本人確認書類(免許証等)
抵当権の抹消に必要な書類(銀行が保有している)
土地のみ測量図、筆界確認書、越境の覚書等の土地関係の書類
戸建測量図、筆界確認書、越境の覚書等の土地関係の書類
建築確認済証、検査済証、設計図書等の建物関係の書類
近隣との覚書・建築協定等の地域関係の書類

不動産買取の場合は、土地や戸建てに関連する「測量図、筆界確認書、越境の覚書等の土地関係の書類」が不完全でも買取が可能な場合があります。

また、測量図が未作成の土地も、測量に時間がかかることを考慮して、その状態で不動産買取会社へ査定を依頼することが良いでしょう。

相場を調べる

家を売却する上で最初に行うことは売却価格を調べることです。

家を購入する際には他と比較するために多くの物件を見て来たかと思いますが、売却する場合にも同様で、相場を調べることがとても重要になります。

ただし、不動産買取業者へ売却する場合の注意点として売却金額は「相場金額の6~8割程度」になるという点を理解しておきましょう。

この点についてはデメリットの部分で詳細に説明を行います。

いずれにせよ相場を調べることで売却価格の納得と短期間での売却につながっていきます。

ここでは、一般の方でも調べられる2つのサイトを紹介いたします。

相場調査方法その① レインズマーケットインフォメーション

こちらのサイトは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理しています。

参照:レインズマーケットインフォメーショ

相場調査方法その② 土地総合情報システム

こちらのサイトは、国土交通省が運営・管理しています。

参照:土地総合情報システム 不動産取引価格情報検索

2つのサイトはどちらも実際に売却した価格を見ることが出来るので、近隣物件や築年数が近い物件がどの水準で売却されているかを理解しておきましょう。

査定依頼

次に不動産会社へ査定の依頼を行います。不動産査定には2つの方法があります。

机上査定(簡易)訪問査定(詳細)
査定方法所在地・築年・敷地、建物面積等のデータから算出上記のデータに加えて、実際の物件を見て算出
物件見学なしあり
メリット数日で分かる実際の売却価格に近く、アドバイスを受けることが出来る
デメリット概算となり、実際の売却価格は下がる傾向にある訪問対応が必要で、時間が掛かる

机上査定では複数の会社にオンラインでヒアリングが可能である点や実際の対面がないことが特徴です。

訪問査定では実際に現地に来て物件を調査するため、データでは見えない部分の劣化を価格を査定金額に折り込むことが出来ることが特徴です。

時間に余裕がある場合は、簡易査定を複数の会社に出して、その中で金額が高い会社に訪問査定を依頼することが良いでしょう。

時間に余裕がない場合は、後々の減額を盛り込みブレがないように、信頼できると思われる会社に訪問査定を依頼することが良いでしょう。

売買契約の締結

査定が完了すると次に売買契約の締結へと進みます。

売買契約の締結の際には以下の事項について確認しましょう。

  • 引渡までのスケジュール
  • 必要書類
  • 家具・家財道具の処分
  • 手数料や契約解除の際の条件

売却を急ぐ場合は認識違いが起こらないよう、スケジュールを必ず確認しておきましょう。

また、不動産会社によって必要書類も多少異なるため、どのような書類が必要なのか確認しておくと安心です。

そして家財道具の処分についても、契約時に取り決めておきます。

不動産会社に処分を依頼する場合は、どのくらいの料金がかかるのかも必ず確認しておきましょう。

余裕がある場合には売却してお金になるものについては不用品の買取業者に相談すると引っ越しなどの足しになるでしょう。

引き渡しの準備

引渡し日に備えて準備を進めましょう。

もし家財道具を自分で処分する場合は、物を整理して、引っ越しに必要な書類も事前に集めておきます。

そして、引き渡し日が来る前に必ず引っ越しを完了させられるようにスケジュール調整を行いましょう。

決済を行う

最後に決済を行います。

ここでは引渡に合わせて以下のような作業が同時で発生いたします。

  • 必要書類の確認
  • 書類へのサインおよび押印
  • 売却代金の残金受け取り
  • 抵当権抹消登記(住宅ローンが残っている場合)
  • 鍵と書類の引き渡し

通常、決済と引き渡しは金融機関で実施され、多くは平日に行われます。

土日祝日が休みの方は、事前に仕事のスケジュール調整が必要です。

また、抵当権抹消登記を司法書士に依頼する際は、この日に報酬の支払いを行うことも注意しましょう。

不動産買取業者への売却のメリット

ここからは買取業者に売却する際のメリット・デメリットについて解説していきます。

メリットとしては以下の通りとなります。

すぐに売却できる

買取の最大のメリットとして「売却スピードが早い」という点が挙げられます。

上記の表のとおり、仲介での売却で行う媒介契約や広告活動が省かれるため、売却活動が1〜2カ月程度削減出来ることになります。

契約不適合責任が免除されることがある

不動産買取の大きな特徴として、契約不適合責任が免除される点があります。

契約不適合責任とは、売主が契約内容と異なる状態の物件を売った際に負う責任です。

例えば、窓の枠から雨水が漏れるのに、それがないと誤って売却した場合、売主は買主からの修理要求や契約解除、損害賠償請求を受けるリスクがあります。

この責任は、買主との合意に基づき、売買契約書に不具合を明記することで免除することが可能です。

一般的に仲介で売買を行う際には、契約不適合責任が免除されるケースは少なく、売却の際の責任を一定負い続けるというリスクがあります。

そのため、ホームインスペクション(建物状況調査)を行い建物の瑕疵を明らかにしたり、瑕疵担保保険等に介入することでリスクを回避する必要があります。

一方で、不動産買取の場合、買取会社は不具合を事前に了解して購入するため、契約不適合責任の免除が容易になります。

仲介手数料が不要

仲介経由で売却する場合には仲介手数料が発生しますが、買取業者への売却の場合には直接売買となるので、仲介手数料が不要となることもメリットの一つと言えるでしょう。

第三者への内覧対応が不要

買取業者への売却の場合には第三者への内覧対応も不要となります。まだ、生活感のある状況の中で頻繁に第三者を招き入れることは誰でも抵抗があることで、そのたびにスケジュール調整や清掃を行い案内をすること自体もストレスが掛かることなので、その手間が省けるという点もメリットの一つといえるでしょう。

事件・事故物件でも売却しやすい

例は少ないですが、事故物件でも売却しやすいという点もメリットとして挙げられます。

ここで事故物件についての定義について整理いたします。

大まかに分けて以下のような分類となります。

事故物件に該当しない事故物件に該当する
自然死・老衰短期間で発見された場合※特殊清掃は不要長期間にわたって人知れず放置された場合※特殊清掃が必要
その他転落事故(自宅の階段)、転倒事故(入浴中)、食事中の誤嚥他殺、自殺、事故死、火災による死亡、原因が明らかでない死亡

参照:国土交通省 宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライ

上記の表のとおり、自然死、老衰においても事故物件と判断される場合があります。万が一の場合に備えて、ご両親や親族がご高齢で一人暮らしを続けている場合には、可能な限り連絡を取り合うことをおすすめします。

不動産買取業者への売却のデメリット

次にデメリットについてですが、最大で唯一のデメリットが「売却価格が安い」という点です。

この、なぜ安くなってしまうのかについて細かく解説していきます。

なぜ買取業者への売却では安価になるのか

なぜ、買取業者へ売却すると仲介に比べて安価になるのか理由は以下の3つが挙げられます。

  • 買取業者が利益を得るため
  • 買取業者がリスクを負うため
  • 買取業者の場合仲介手数料が発生しないため

買取業者が利益を得るため

不動産会社は営利を目的としており、買取った不動産を再販することで利益を得ます。

例えば、市場価格が5,000万円の物件を不動産会社が7割で購入し、その後再販する場合、1,500万円の利益が生まれます。

ただし、この利益には売却までの維持管理費やリフォーム費用が含まれており、実際の利益はこれらの経費を差し引いた額となります。

買取業者がリスクを負うため

また、不動産会社は買取によるリスクも負います。

買取した物件の再販を前提にしており、一時的に物件を所有するため、すぐに売れない場合は固定資産税などの経費がかかります。

これらの負担が買取価格を抑える要因になります。

買取業者の場合仲介手数料が発生しないため

買取では仲介手数料が発生しないため、不動産会社は市場価格より低い金額での買取を行い、利益を確保します。対照的に、仲介では売主や買主から手数料を受け取るため、その金額が不動産会社の利益となります。しかし、買取の場合は、利益は買取価格と実際の売却価格の差額のみです。

このような理由から、不動産買取業者へ売却する場合は仲介経由で売却する場合に比べて安くなる傾向にあることが分かると思います。

不動産買取に向いている場合

次に、不動産買取に向いている場合について、人、物件に分けてそれぞれ例を紹介していきます。

不動産買取に向いている人

まず最初に不動産買取に向いている人についての特徴は以下の通りとなります。

  • 借金返済などで急ぎ現金が必要な人
  • 転勤や離婚などで急に不動産売却が必要な人
  • 相続税納税の期限までに不動産を売却しなければならない人
  • 近隣住民に知られることなく不動産を売却したい人
  • 売却後の責任を負いたくない人

不動産買取に向いている物件

次に不動産買取に向いている物件の特徴について、以下の通りとなります。

  • 仲介を通じて1年以上売れ残っている物件
  • 築年数が古く、立地条件が不利な物件
  • 過去に事故やトラブルがあった歴史のある物件
  • 解体が必要とされる物件

まとめ

いかがでしたでしょうか。

不動産の売却では仲介経由での売却と買取業者への売却と主に2つの方法があります。

不動産買取業者への売却はスピードを優先する場合に有効的ですが、一方で売却価格が仲介経由で売却する場合に比べて劣るという特徴があります。

売却に際しては売却する人の特徴や売却する不動産の特徴に合わせて仲介経由で売却するか不動産買取業者へ売却するかを適切に判断する必要があります。

まずは、買取金額のイメージを付けるためにも、株式会社JR西日本イノベーションズが運営する不動産の買取再販サービス「このび」を利用してみてはいかがでしたでしょうか。

「このび」では査定から売却まで最短で1カ月で手続きを行うほか、築古物件や仲介経由では買い手がつかなかった物件でも買取を行うことが出来ます。

自宅の売却に関する相談がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

本記事の監修

戸建買取再販事業部 事業部長森一也

鉄道を通じて地域の発展に貢献したいとの思いから、JR西日本に入社後、鉄道電気設備の維持・管理業務に携わる。
鉄道だけでなく幅広く地域の発展に貢献したいとの想いから、不動産の買取再販を行うこのびに参画。
鉄道業務で培った高い安全性・信頼性を自身の価値観とし、お客様との信頼関係構築を第一に、一人ひとりに寄り添った提案をすることを大切にしている。
このびでは営業・リフォーム・販売の経験を持ち、現在は事業統括・推進を行っている。
「このび」を通じてお客様に豊かな生活を提供することで、地域の発展に貢献したいと考えている。
子育て真っ盛りの1児の父。趣味はキャンプ。

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