家の解体費用を払えない場合はどうすればいい?6つの対処法とそれぞれのメリット・デメリット
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土地を生前贈与するか、相続するかによってかかる税金は異なります。
同じ種類の税金でも、その税率には違いが存在することがあり、これが税金の計算を複雑にしています。
生前贈与の場合と相続の場合で発生する税金の種類と特性をそれぞれ検討してみましょう。
解説する税については以下の通りとなります。
土地の所有権が贈与や相続により移転する際、法務局での登記が必要です。
所有権移転の原因を「贈与」または「相続」として記録し、それに応じて登録免許税の額が異なります。
贈与で土地の所有権を移転する場合、登録免許税は固定資産税評価額の2%(不動産の価額×20/1000)で計算されます。
不動産の価額は固定資産税の評価額で、固定資産税の課税明細書で確認可能です。
対して、相続で所有権が移転する場合、登録免許税は固定資産税評価額の0.4%(不動産の価額×4/1000)となります。
これを比較すると、贈与での移転の場合、相続時の5倍の登録免許税が必要になることがわかります。
贈与税は、個人が他の個人から無償で財産を受け取る際に、受け取った人に課される税金です。
この税金は財産を渡した人ではなく、受け取った人に課される点に注意が必要です。
贈与税の計算では、受け取った人が1年間に受けたすべての財産の合計額を計算します。
その額から基礎控除110万円を引いた残額に対して、適用される税率を乗じて税額が求められます。
贈与された人の関係によって、税率が異なることがあります。例えば、親や祖父母などの直系尊属から成人の子や孫に贈与された場合、その贈与財産は「特例贈与財産」として計算されます。
贈与税の速算表はそれぞれ以下の通りとなります。
例として、兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合などに使用します。
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円以下 | 10% | – |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
3,000万円超 | 55% | 400万円 |
参照:国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
例として、祖父から孫への贈与、父から子への贈与などに使用します(夫の父からの贈与等には使用できません。)
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円以下 | 10% | – |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 30万円 |
600万円以下 | 30% | 90万円 |
1,000万円以下 | 40% | 190万円 |
1,500万円以下 | 45% | 265万円 |
3,000万円以下 | 50% | 415万円 |
3,000万円超 | 55% | 640万円 |
参照:国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
不動産の名義変更時には、新しい所有者に対して不動産取得税が課されます。
通常、この税率は4%ですが、住宅や土地の取得には3%の軽減税率が適用されることがあります。
不動産取得税の特徴として、相続による不動産の取得は非課税とされている点があります。
一方で、贈与による取得は課税対象です。
そのため、相続と贈与では金銭的な負担に大きな違いが生じます。
参照:国税庁 固定資産税、登録免許税又は不動産取得税を支払った場合
相続税は、人が亡くなったときにその遺産を受け継ぐ人に課せられる税金です。
この税金は法定相続人や遺言により遺産を受け取る人にも適用されます。
この税金の計算では、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という式で基礎控除が求められます。
相続する財産の総額からこの基礎控除を引いた額に対して相続税が課されます。
また、基礎控除が相続財産の総額を上回る場合は、相続税は発生しません。
法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | – |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
ここからは不動産を生前贈与する場合のメリットとデメリットについて解説していきます。
不動産の生前贈与には以下のようなメリットが挙げられます。
健在時に自由に贈与が可能で、相続人だけでなく、孫や施設など自分で選んだ相手にも財産を渡すことができます。
これにより、意思がはっきりしている間に意志に基づく贈与が実行できます。
不動産贈与は合意のみで成立し、短時間で物件の引き渡しが可能です。
これに対し、相続では手続きが複雑で時間がかかることが多く、特に遺産分割がスムーズに進まない場合があります。
意思能力が明確なうちに不動産を贈与することで、将来的に認知症を発症した際の財産管理の問題を回避できます。認知症になると、成年後見制度を利用する必要が生じることがありますが、生前贈与はそのリスクを減らす手段となり得ます。
生前贈与の主なデメリットは、登記費用や贈与税、不動産取得税などの経済的な負担が大きいことです。
年間110万円までの贈与は税が発生しませんが、不動産の価値がこの額を超えるのは一般的であり、その結果、高額な贈与税がかかることが多いです。
不動産を小分けにして段階的に贈与する方法もありますが、この方法は贈与のたびに必要な登記作業が増え、司法書士に支払う手数料も多くなるため、手間とコストが増大します。
次に不動産を相続する場合のメリットとデメリットについて解説していきます。
不動産を相続する最大のメリットは、金銭的負担が軽減される点です。
相続税については、法定相続人の人数に応じて設定される基礎控除が大きいため、多くの場合相続税が免除されます。
このため、生前贈与よりも相続時に不動産を引き継ぐ方が、税の負担が大幅に軽くなる可能性があります。
ただし、相続税は他の遺産と合わせて計算されるため、他に多額の財産がある場合は相続税が発生することがあります。
それでも、相続税の税率は贈与税に比べて低く設定されており、税額を抑える特例も存在します。
また、不動産の登記に際して発生する登録免許税や不動産取得税も、相続の場合は贈与時よりも通常低くなります。
これらの理由から、不動産を相続する際の金銭的負担は大きく減少し、相続人はその不動産を安心して保有し続けることが見込まれます。
不動産を相続する際のデメリットは、誰がその不動産を引き継ぐかを決めるプロセスが慌ただしくなることです。
相続が開始されると、相続人は3か月以内に相続放棄を決定する必要があります。
また、相続税が課される場合は、10か月以内に相続税の申告と納付を完了させなければなりません。
これらの短い期間内に相続人同士で不動産の新しい所有者を決めるのは非常に困難です。
さらに、不動産の所有者が亡くなった時点で初めて相続が発生するため、故人の意向を反映させることが難しくなります。
不動産の相続者に関して明確な意向がある場合は、亡くなる前に遺言書を作成しておくことが効果的です。
これにより、故人の意思が相続に適切に反映されることになります。
ここからは生前贈与が向いているケースと相続が向いているケースについて紹介していきます。
まずは、不動産の生前贈与が向いているケースの例としては以下の通りとなります。
ここからはそれぞれ個別に解説していきます。
不動産を子供などに相続させる際は、その不動産を誰が引き継ぐかは相続人全員による遺産分割協議によって決まります。
しかし、遺産分割協議では必ずしも予定通りに遺産が分割されるとは限らないため、時に予期せぬ結果になることもあります。
この協議は全相続人の合意が必要であり、相続人間での意見の対立が原因でトラブルが発生することも少なくありません。
こうした問題を防ぐためには、生前に不動産を贈与しておくことが有効な手段です。これにより、相続時の争いを回避し、スムーズな資産の移転が期待できます。
不動産の所有者の判断能力が低下すると、その不動産を売却する、貸し付ける、または贈与するなどの契約が困難になることがあります。
判断能力の低下により自らの意志で契約ができなくなった場合、法定後見人の選任によって法的行為を代行することは可能ですが、財産を売却するなどの重要な決定が許可されない場合も多いです。
このような事態を防ぐためには、判断能力が衰える前に不動産を事前に贈与しておくことが望ましいです。これにより、将来的に発生しうる問題に対して事前に備えることができます。
不動産の価格が上昇する前に贈与することは、結果的に節税効果をもたらすことがあります。
不動産価格の将来的な上昇は予測が困難ですが、地域の環境変化や規制の緩和などにより、それまで住宅建設が不可能だったエリアでも建設が可能になると、不動産価格は大きく上がる可能性があります。
価格上昇が予想される場合、生前に不動産を贈与しておくことで、将来的にかかる税金の負担を軽減することができるため、節税策として考慮する価値があります。
相続は人が亡くなったときに発生するため、いつ起こるかは不確実です。
これにより、相続のタイミングについて不安を感じることがあります。
さらに、相続が発生した時点で不動産の元の所有者はすでに亡くなっているため、自身の意思で不動産の相続人を指定したり、その意思を反映させたりすることができません。
もし具体的な相続人を指定したり、不動産を渡すタイミングを自分で決めたい場合は、相続を待たずに生前贈与を行うことが推奨されます。
次に不動産の相続が向いているケースについての例は以下の通りとなります。
ここからはそれぞれ個別に解説していきます。
相続財産の総額が小さい場合、相続税の基礎控除内に収まると相続税は発生しません。
このため、相続税が発生しない場合は、生前贈与に伴う贈与税を支払うよりも、相続によって財産を引き継ぐ方が経済的に有利です。
もし基礎控除を超える場合でも、相続税の額は比較的少額であり、贈与の場合に比べて税の負担が大幅に少なくなることが一般的です。
不動産の相続を巡る争いは、他の財産が少ないことが一因となることがあります。
不動産を相続する人と他の財産を相続する人との間に金銭的な不均衡が生じると、不公平と感じられることがあります。
一方、不動産以外にも豊富な財産がある場合、不動産を相続しなかった人にも他の財産を相続する選択肢があり、相続におけるトラブルのリスクは減少します。
そのため、不動産以外の財産、特に預貯金の状況を事前に確認することが、相続対策としても有効です。
相続税には多くの特例が存在し、これらを活用すると相続税の額を大きく削減できます。
特に土地を相続する際には、「小規模宅地等の特例」の適用可能性をまず確認する必要があります。
この特例を適用できれば、土地の評価額を最大で80%まで減額できるため、相続税の負担が大きく軽減されます。
ただし、この特例を利用するためには一定の要件を満たす必要があります。
適用可能であれば、その特例を利用して相続を迎えることも考えられます。
いかがでしたでしょうか。
土地の所有者は、自分が所有する土地が将来相続税の計算に含まれることを認識しておくことが重要です。
贈与でも相続でも、大きな税金がかかる可能性があるため、事前に対策を講じることが推奨されます。
贈与と相続のどちらが適切かは、持っている財産の種類や相続人の数などの個別の状況によって変わります。
どちらの方法も、現在の状況をしっかり理解し、早期に適切な対策を開始することが重要です。
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