中古物件を検討し始めたら読む記事!中古物件ならではの確認事項について解説!

今回の記事では中古物件を購入する際の内覧ポイントと確認事項について解説していきます。

中古住宅を選ぶメリットの一つは、「実際の物件を内見(見学)できる」ことです。新築の場合、分譲一戸建てや分譲マンションでは、完成前に購入を検討することが多く、多くの方が実物を見ずに購入しています。その一方で、中古住宅は既存の建物であるため、実物を確認できるのが大きな利点です。

売り出し中の中古住宅を見学することを「内見(ないけん)」と言います。実際に物件を内見できるのは魅力的ですが、どんな点に注意すればいいのか悩む方も多いでしょう。今回は、中古住宅の内見のポイントと、内見に持っていくと便利な物を紹介します。

また、売買の際の確認事項についても触れていくので、この記事を読み終わる頃には、中古物件の購入のノウハウが身についているのではないでしょうか。

それでは早速解説を進めていきましょう。

内見前に確認しておきたいこと

最初に内見に行く前に知っておくべき情報をご紹介します。中古住宅の場合、売主が住んでいることが多く、内見は訪問形式になることが一般的です。物件を訪問する際には、興奮して十分に見られないこともあるかもしれません。事前に確認すべきポイントを把握しておき、現地でしっかり確認できるように準備しましょう。

今住んでいる家の条件について

新しい住まいを探す際、現在の住まいの条件を洗い出しておくことが重要です。部屋数や広さ、収納スペースなど、より良い住環境を求めるための材料として役立ちます。

まず、今の住まいの間取りを確認し、新居に求める部屋の広さ、収納スペース、必要な部屋を具体的にまとめておきましょう。内見した物件が希望に合わない場合でも、リフォームで改善できるか、費用がどれくらいかかるか具体的に検討する材料になります。

また、コンセントの数や配置は重要です。現在の住まいでどれくらいのコンセントを使用しているかを把握しておきましょう。内見時に必要な数があるか確認し、足りない場合でもリフォームで増設できるので、過度に心配する必要はありません。

築年数が30年以上の中古マンションでは、電気のアンペア数に上限がある場合があります。現在の住まいの電気契約内容を確認し、新居でも必要なアンペア数を確保できるかを確認しましょう。一般的には、少人数家庭で20~30A、家族が多い場合や電気使用量が多い家庭では40~60Aが目安です。オール電化を検討している場合は、60Aが必要です。

さらに、新居でも使いたい大型家電や家具のサイズを測り、内見時にそれらが収まるスペースがあるか確認しましょう。搬入経路も忘れずにチェックし、ソファや冷蔵庫など大きなものが搬入可能かどうかも確認しておきましょう。

ホームインスペクションをするかどうか

ホームインスペクションとは、建物の状況調査のことです。設計や施工の知識を持つ専門家が住宅の状況を調査します。インスペクションを行うことで、住宅に詳しくない方でも安心して住宅を購入(売却)するための判断材料になります。雨漏りやシロアリ被害など、契約時にわからなかった損傷を後から発見するリスクを軽減できます。

インスペクションの義務化

2018年4月から、宅地建物取引業法が改定され、インスペクションに関する告知義務が不動産会社に課されました。買主に対しては以下のような内容を伝える必要があります。

  • 媒介契約締結時:インスペクション業者の斡旋可否を伝え、意向により斡旋する。
  • 重要事項説明時:インスペクション結果を買主に説明。実施していない場合はその旨を伝える。
  • 売買契約締結時:建物の状況を売主・買主が相互に確認し、その内容を書面で交付する。

インスペクションの相場感

目視で行う簡易的な検査は、一般的に5~6万円です。機材を使用したり、壁や天井を破壊して内部を確認する場合は、さらに費用がかかります。

セルフチェックが難しい部分や自分が行けない場合は実施するべし

インスペクションは建物の専門家が行うため、セルフチェックでは見逃してしまうような兆候や、小屋裏、床下など確認が難しい箇所の調査も行ってもらえます。自分では確認できない部分を専門家に任せることで、安心して住宅の購入を進めることができます。

内覧の際の持ち物の準備

内覧の際には手ぶらではなく以下のアイテムを持っていくと良いでしょう。

  • カメラ
  • 間取り図と筆記用具
  • 方位磁針
  • メジャー

それぞれ個別に解説していきます。

カメラ(スマホでも可)

購入検討中の物件を複数回ると、どの物件がどれだったか混乱しがちです。特に売主が居住中の場合は、事前に許可を得て気になる箇所を撮影しましょう。

間取り図と筆記用具

カメラと同様に記録を残すために便利です。間取り図に気になった点、質問内容、メジャーで測った寸法などを直接書き込んでおくと後で見返すのに役立ちます。

方位磁針

方位磁石があれば、どこから日差しが入るかを確認できます。スマホに内蔵されていることも多いので、内見前に使い方を確認しておきましょう。

メジャー

部屋のサイズや家具が収まるスペースを正確に測りましょう。

内見当日、見るポイントはどこ?

さあ、実際に内見を行います。内見を行う際には以下のポイントを中心に見学をすると良いでしょう。

  • 外壁、基礎
  • 屋根、軒下
  • 間取り
  • 風通し、騒音、眺望
  • 部屋の向き
  • ニオイ、汚れ
  • 水回り、漏水
  • 床や柱のゆがみ、傾き
  • 収納
  • ガスや排水の種類
  • 床下や小屋裏
  • 周辺環境の確認
  • 治安や住環境

それぞれ個別に解説していきます。

外壁、基礎

外壁に大きなひび割れや傷みがないか確認しましょう。ひび割れは雨漏りや基礎の不同沈下の原因になる可能性があります。特に幅が0.3~0.5mm以上のひび割れは要注意です。

屋根、軒下

屋根材のズレや破損、軒下の雨どいや塗装の剥がれを確認します。雨漏りやシロアリ被害の原因になるため、しっかりチェックしましょう。

間取り

メモを書き込めるように間取り図を準備し、実際の部屋の配置やサイズを確認します。

風通し、騒音、眺望

窓を開けて風が通るか確認し、外部の騒音や眺望もチェックします。

部屋の向き

日当たりを確認するために方位磁石を使い、部屋の向きを確認します。

ニオイ、汚れ

カビ臭や天井の染みなど、現地でしかわからないニオイや汚れもチェックします。

水回り、漏水

キッチンや洗面台の下など、漏水がないか確認しましょう。シミや床の浮きがないかもチェックします。

床や柱のゆがみ、傾き

床が水平かどうか、柱に傾きがないかを確認します。ビー玉を転がしたり、水平器を使ったりするとわかりやすいです。

収納

収納スペースの高さや扉の開き方など、使い勝手を確認します。湿気がこもりやすい場所のカビもチェックしましょう。

ガスや排水の種類

都市ガスかプロパンガスか、下水道か浄化槽かを確認し、光熱費や水道代の参考にします。

床下や小屋裏

床下や小屋裏は専門家による確認が安心です。雨漏りやシロアリ被害、カビや湿気の有無をチェックしてもらいましょう。

周辺環境の確認

周辺の施設、近所のスーパー、評判の良い病院や学校、各施設へのアクセスを確認します。距離だけでなく、坂道や車通りの多さ、街灯の有無など、実際に歩いて確認することで得られる情報もあります。

治安や住環境

売主や不動産会社に近隣の住人について聞くことも大切です。Googleマップや地域の口コミサイトも参考にしながら、住みやすさを総合的に判断しましょう。

内覧の際のポイント

内覧の際には実際に見ることも含めて事前の準備がいくつかあります。

以下のポイントを抑えておくと良いでしょう。

内見は家族全員で

内見は可能な限り家族全員で行くのが理想です。複数人で内見すると、一人で見るよりも冷静かつ客観的な視点で確認ができ、見落としが減ります。売主が居住中の物件では緊張して重要な点を見逃すこともあるため、複数人でのチェックが安心です。また、家族全員が一緒に内見することで、その場での迅速な意思決定が可能になり、人気物件を逃さずに済むメリットもあります。

内見は最低でも5件

物件を購入する際、多くの人は5件以内の内見で決定することが多いです。それ以上内見しても決められない場合、設定した条件が厳しすぎたり、条件が曖昧で判断できないことがあります。希望する家のイメージを明確にし、条件を見直して効率的に内見を進めましょう。

リノベーションを考えているなら専門家と同伴

大規模なリノベーションを考えている場合は、専門家を同行させて内見するのがおすすめです。その場でリノベーションが可能かどうか判断してもらえ、見積もりも迅速に対応してもらえます。これにより、ローンなどの資金計画を早く立てることができ、人気物件を逃さずに購入する強力なサポートとなります。

中古物件の内覧で売主や担当者に確認すべき項目

中古物件の内覧時には、不動産の営業担当者や売主に確認すべきポイントがいくつかあります。具体的には以下の4つの項目が重要です。

設備の不具合・リフォーム歴

内覧時に、設備の不具合があるかどうかを売主や営業担当者に確認しましょう。直接尋ねにくい場合は、営業担当者を介して聞いてもらうと良いです。また、過去のリフォームや修繕の履歴も必ず確認してください。築年数が古い物件では、複数箇所の修繕が行われていることが多いため、誰が・いつ・どこを・何を・なぜ・どのように(5W1H)リフォームしたのかを把握することが、今後の修繕計画の参考になります。

売却理由

売却理由は非常に重要な情報です。売主に直接聞きにくい場合は、営業担当者を通じて確認してもらいましょう。転勤や離婚、実家への引越しなどの理由であれば特に問題はありませんが、住環境や近隣施設に不満があって売却する場合、その理由は購入判断の重要な材料となります。

周辺環境

物件の周辺環境は、実際に住んでみないとわからないことが多いです。地域に詳しい営業担当者や売主の意見を参考にしましょう。駅に近いなどの好立地でも、夜間に騒音や臭いが発生するケースがあります。また、便利な商業施設が撤退する可能性や、お子さんがいる場合には、学校からの距離や通学路、公園、小児科医院の有無も重要な判断基準です。

交通の利便性

交通事情も購入前に確認するべき重要なポイントです。最寄駅までの距離や、職場までの路線、ラッシュ時の混雑具合などを事前に確認しましょう。車移動が多い方は、周辺の道路の渋滞状況や道幅の広さもチェックする必要があります。通学・通勤・買い物など日常生活において、交通の利便性は重要な要素です。

買ってはいけない中古住宅の特徴

購入を避けるべき中古住宅の特徴について、以下のポイントを押さえておきましょう。

劣化や欠陥のある物件

建物の劣化や欠陥は、購入後の修繕費用や生活の快適性に大きな影響を及ぼします。特に、屋根や外壁、基礎部分などの構造的な問題は深刻で、修繕や補強が難しい場合もあります。また、水回りや配管、電気設備など内部の劣化や老朽化は、生活の安全性に直結します。

構造状態に問題がある物件

建物の構造状態に問題がある場合、大規模な補強リフォームやリノベーションが必要になる可能性があります。基礎部分や柱、梁などの構造要素に亀裂や変形が見られる場合は、建物全体の安定性に影響します。さらに、経年劣化や不適切な改修による建物の傾きやひび割れにも注意が必要です。

土地や周辺環境に問題のある物件

建物だけでなく、土地や周辺環境にも注意が必要です。土地の地盤沈下や浸水被害、周辺施設の騒音や公害など、事前調査で分かる問題は避けるべきです。また、都市計画や建築基準法の制限により、建物の増改築や再建築が困難なケースもあります。地域の土地利用計画や自治体の施策を確認しておくと安心です。

築年数と耐震基準の関係

築年数が経過した中古住宅は、建築基準法改正後の基準で建てられたかどうかを確認しましょう。特に、昭和56年以前の建物は、現行の耐震基準に適合していないことが多く、耐震性能が不十分である可能性があります。地震による被害を最小限に抑えるためには、築年数の確認だけでなく、耐震性能の点検も検討してみましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

中古物件は価格が安い上にバリエーションが豊富であったり、リノベーション等で自由が効くというメリットがある一方で、旧耐震の物件や空き家の期間があった物件等、少なからず問題を抱えているという物件も少なくありません。

そのような物件の中で、どの物件が適正かどうかを判断することはプロでも難しいですが、あまり不動産に詳しくない方でも、ポイントを抑えることで、大きな失敗を避けることが出来ます。

今回の記事を通じて、皆さんの中古物件購入のヒントになれば幸いです。

株式会社JR西日本イノベーションズが運営する不動産の買取再販サービス「このび」では、市場で買取が難しい中古住宅を中心に不動産買取を行っています。

自宅の売却に関する相談がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

本記事の監修

戸建買取再販事業部 事業部長森一也

鉄道を通じて地域の発展に貢献したいとの思いから、JR西日本に入社後、鉄道電気設備の維持・管理業務に携わる。
鉄道だけでなく幅広く地域の発展に貢献したいとの想いから、不動産の買取再販を行うこのびに参画。
鉄道業務で培った高い安全性・信頼性を自身の価値観とし、お客様との信頼関係構築を第一に、一人ひとりに寄り添った提案をすることを大切にしている。
このびでは営業・リフォーム・販売の経験を持ち、現在は事業統括・推進を行っている。
「このび」を通じてお客様に豊かな生活を提供することで、地域の発展に貢献したいと考えている。
子育て真っ盛りの1児の父。趣味はキャンプ。

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