50坪の家の解体費用はいくら?木造・鉄骨造など構造別の相場や内訳を解説

「50坪の家を解体したいけど、費用相場はどれくらいなんだろう?」

「木造と鉄骨造では解体費用が違うって聞いたけど、本当?」

このような疑問を抱えていませんか?

家屋の解体費用は、坪数だけでなく様々な要素によって変動するものです。

この記事では、50坪の家を解体する際の費用について、構造ごとの相場や工事費用の内訳まで解説します。

また、解体費用を抑えるポイントも紹介するので、あわせて参考にしてください。

【構造別】50坪の家の解体費用相場

はじめに、50坪の家を解体する際の費用相場について、以下の3つの構造別に紹介します。

  • 木造住宅
  • 鉄骨造住宅
  • 鉄筋コンクリート(RC)造住宅

その他の追加費用についても解説していくので、順番に見ていきましょう。

木造住宅の解体費用

木造住宅の解体費用は、1坪あたり3〜4万円が相場です。

したがって、50坪の家では150〜200万円の解体費用になると言えるでしょう。

木造住宅は他の鉄骨造、鉄筋コンクリート(RC)造に比べて取り壊しやすい素材のため比較的価格を抑えられる傾向にあります。

鉄骨造住宅の解体費用

鉄骨住宅の解体費用は、1坪あたり4〜6万円が相場です。

50坪の家に換算すると、200〜300万円の解体費用になると考えられます。

家屋の解体費用は、使用されている素材の強さ(取り壊しやすさ)によっても変わるのが特徴です。

鉄骨造住宅は、使われている鉄骨の厚みによって「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」の2種類に分かれます。

したがって、同じ坪数・同じ階数の鉄骨造住宅でも、価格が変動する可能性に注意が必要です。

鉄筋コンクリート(RC)造住宅の解体費用

鉄筋コンクリート(RC)造住宅の解体費用は、1坪あたり6〜8万円が相場です。

50坪の家の場合、300〜400万円の解体費用が発生します。

鉄筋コンクリート(RC)造の住宅は3種類の構造の中で最も頑強なため、その分解体費用が高くなるのが特徴です。

さらに、鉄骨造住宅と同様に工法や種類が複数あることから、同じ50坪の鉄筋コンクリート(RC)造の家でも建物によって解体費用が大きく変わる場合があります。

したがって、単純な坪数だけで計算するのではなく、自身の家がどのような種類であるか確認したうえで概算費用を出すようにしましょう。

その他の費用(アスベスト除去や地下室の撤去など)

ここまでお伝えした費用相場は、あくまで家屋本体の解体にかかる費用のみを挙げたものです。

実際に工事を進めた場合、以下のような費用が追加で発生する可能性に留意しましょう。

アスベスト除去費用

アスベスト(石綿)が含まれている建物の場合、解体時に別途特殊な除去作業を行わなければなりません。

アスベストの除去にかかる費用は、除去面積が300㎡以下の場合、1㎡あたり2万〜8.5万円が目安です。

しかし、アスベストが含まれている場所によっては除去作業の難易度が上がるため、金額がさらに上乗せされる可能性があります。

アスベスト使用が全面禁止された2006年9月以降に施工された家であれば基本的に考慮する必要はありませんが、解体したい家がそれ以前に建てられている場合、まずはアスベストの有無を確認しておくのがよいでしょう。

地下室の撤去費用

解体する家が地下室や地下収納を有している場合、それらの撤去とあわせて「埋め戻し」と呼ばれる作業が行われます。

埋め戻しとは、文字通り地下室などが撤去された後の空間を埋め、元に戻すことです。

埋め戻しを適切に行うことで地盤沈下や崩壊のリスクを防ぎ、土地の再利用も促進できます。

地下室または地下収納の解体・撤去・埋め戻しを行う場合、本体の解体費用に加えて100〜300万円ほど上乗せされるのが一般的です。

外構の撤去(付帯工事)費用

外構とは、カーポートや物置、ブロック塀、門扉など屋外に設置する構造物を指します。

外構の撤去作業は「付帯工事」とも呼ばれ、撤去する物の種類や数によって費用も変動するのが特徴です。

目安として、外構1つあたり5〜30万円程度の撤去費用が追加されると考えておくとよいでしょう。

50坪の家の解体費用に関する特徴

ここでは、50坪の家の解体費用に関する以下の2つの特徴について解説します。

  • 解体費用は坪数が大きいほど割安になりやすい
  • 50坪は一軒家としては大きい

それでは、順番に見ていきましょう。

解体費用は坪数が大きいほど割安になりやすい

家屋の解体費用は、一般的に坪数が多いほど割安になる傾向があります。

解体工事には「重機搬入」「足場設置」「廃材処理」といった基本的な作業があり、これらは坪数の大きさに関わらず、すべての建物の解体において発生する固定費用とも言えます。

したがって、建物が大きくなるほど坪単価あたりの解体費用も割安になることが多いのです。

工場における大ロット発注をイメージするとわかりやすいでしょう。

ただし、安くなるのはあくまで坪単価あたりの解体費用です。

建物の構造や種類、立地、解体業者のスケジュールなども加味して解体費用は算出されるため、必ずしも「坪数が大きいから安くなる」わけではない点に注意しましょう。

50坪は一軒家としては大きい

一口に50坪の家と言っても、規模感がイメージしにくい方もいるのではないでしょうか。

昨今の注文住宅は3〜4人家族に適した3LDK〜4LDKの間取りが多いとされ、坪数に置き換えると25〜35坪になります。

この数値を基準とした場合、50坪の家が一軒家としては比較的大きいことがわかるでしょう。

しかし、今と比べて三世帯住宅の多かった昔は50坪の家も決して珍しくありませんでした。

さらに築古の住宅は木造率も高く、倒壊リスクがあるような場合を除けば、先の項で紹介した坪単価の傾向とあわせることで全体的な解体費用が安くなる可能性があるのです。

解体費用の内訳:人件費や処分費用の詳細

ここでは、50坪の家の解体工事にかかる費用の内訳・詳細について解説します。

  • 人件費の割合と相場
  • 廃棄物処理費用の内訳と相場
  • 重機使用費の詳細
  • 養生や防音対策費用

さっそく見ていきましょう。

人件費の割合と相場

家の解体工事にかかる費用の内、3〜4割を占めると言われているのが人件費です。

実際に現場で解体を進める作業員だけでなく、ガードマンや廃材等を運搬するトラック運転手も解体工事を支える一員であり、彼らの日当はおよそ1人あたり1.5万円程度が相場とされています。

廃棄物処理費用の内訳と相場

コンクリートや木材、プラスチック、金属など、家屋の解体時に出る廃棄物はすべて細かく分別することが「建設リサイクル法」によって義務付けられています。

このような産業廃棄物の処理費用は、廃材の種類や地域によって異なるものの、1㎡あたり3,000〜8,000円、2tトラック1台分で1.3〜1.5万円程度が一般的です。

重機使用費の詳細

解体工事で使用される重機にも費用が発生します。

厳密には「重機損料」と呼ばれ、重機の維持・修理・管理費などを基に算出される経費です。

高価で大きな重機ほど使用費(損料)は高くなり、たとえば一軒家の解体工事に使われることの多い油圧ショベル「バックホー0.5㎥」の場合、1日あたり1.1万円程度の使用費(損料)が設定されています。

養生や防音対策費用

家の解体に伴う足場の設置や養生、防音対策にかかる費用を「仮設工事費用」と呼びます。

解体する建物の面積が広いほど値段も高くなる傾向にあります。

費用相場は1㎡あたり800円〜1,000円です。

50坪の家となると足場や養生シートの規模も広くなるため、必然的に価格も上がります。

しかし、現場の安全を守るためにも欠かせない経費であると理解しましょう。

50坪の家を解体する際の費用を抑えるポイント

50坪の家を解体するにあたって、できれば費用を抑えたいと考える方もいるでしょう。

ここでは、解体費用を抑える4つのポイントを紹介します。

  • 複数の業者から見積もりを取る
  • 解体と不用品回収を一緒に依頼する
  • 工事の繁忙期を避ける
  • 自治体の補助金制度を活用する

それでは、順番に見ていきましょう。

複数の業者から見積もりを取る

住宅解体の費用は業者によって大きく変わるものです。

家を解体すると決めたら、まずは相見積もりを取って価格差や傾向を把握するようにしましょう。

また、業者独自のサービスや、担当者との相性も解体工事を進めるうえで重要です。

工事費用の額面だけにとらわれず、総合的なコストパフォーマンスの高さで業者を選ぶことが、納得度の高い解体を実現させる秘訣と言えます。

解体と不用品回収を一緒に依頼する

解体する家の中にある家具や家電(残置物)は、基本的に自身で処分した方が処理費用が安くなる傾向にあります。

しかし、一部の不用品については追加費用無しで解体業者に回収してもらうことが可能です。

代表的なものが、木製の家具です。

特に木造住宅を解体する場合は廃材と一緒に処分できるため、回収費用が発生しません。

また、鉄製・スチール製の物も、金属買取業者への売却が期待できることから、無償で回収してもらえる可能性が高いです。

不用品の処分に悩んだ際は、一度解体業者に相談してみるとよいでしょう。

工事の繁忙期を避ける

解体工事の依頼が立て込む繁忙期は、全体的に費用が高騰しやすいものです。

特に決算期にあたる2月半ばから3月下旬までは法人からの依頼が多くなるため、個人家屋の解体依頼が通りにくく、費用も高くなります。

したがって、解体業者の閑散期となる4月〜5月、6月〜9月で依頼することで、解体費用を抑えられる可能性が高まると言えるでしょう。

自治体の補助金制度を活用する

自治体の補助金制度を活用することでも、家の解体費用を抑えられます。

国土交通省による「空き家再生等推進事業」の一環として、2015年から住宅解体の補助金制度が各自治体で展開されています。

補助金制度の詳しい内容や適用条件は地域によって異なるため、まずは所属する自治体に問い合わせるようにしましょう。

50坪の家の解体工事に関するよくある質問

最後に、50坪の家の解体工事に関するよくある質問にお答えします。

解体工事にかかる期間はどのくらい?

一般的な50坪の家の解体工事にかかる期間は約2週間程度と言われています。

なお、工期は家の種類や築年数によっても変動する点に注意が必要です。

たとえば、同じ50坪の家でも2階建てと平屋であれば、足場を組む規模の差から平屋の方が工期が短くなります。

また、築古の家の場合、倒壊リスクを避けるため解体作業全体が慎重に進められるため、工期が長くなる傾向にあるのです。

追加費用が発生するケースとは?

家の解体工事において追加費用が発生するケースは、大きく分けて以下の3つです。

  1. 解体する家にアスベスト(石綿)が含まれている
  2. 解体する家に地下室・地下収納、もしくは古い井戸や浄化槽などの地中埋設物がある
  3. 家本体の他に外構の解体・撤去が必要である

2006年以前に建てられてた家には有害物質・アスベストが含まれている可能性があり、このような家を解体する場合は特別な除去作業が別途発生します。

また、地下室や地下収納を備えた家や、地中埋設物のある家は、解体・撤去後に埋め戻し作業を行うため、追加費用が必要です。

さらに、植木やカーポート、ブロック塀といった外構の撤去は通常、家の解体に含まれていません。別途依頼が必要なため、注意しましょう。

近隣住民への対応や挨拶は必要?

家の解体工事においては、業者が対策をしてもある程度の騒音や振動が発生します。

事前連絡も無く大規模な工事が始まった場合、不快に感じる人が多いのが実情です。

一般的なマナーとして、そして今後の近所づきあいを円滑に進めるためにも、必ず近隣住民へ事前に工事する旨を伝え、丁寧な対応を心がけるようにしましょう。

解体後の土地利用に影響はある?

解体後、更地になった土地には様々な活用法があり、コインパーキングなどの貸駐車場として活用するほか、昨今需要が高まりつつある「トランクルーム」の設置場所として利用する方法も注目されています。

いずれの利用方法においても、家の解体後に整地を行うことが大切です。

たとえば、地下室がある家の場合、撤去・解体とあわせて適切に埋め戻しをしないと地盤沈下や崩壊を起こす危険性があります。

家を解体した後に土地利用の予定がある場合は、整地の依頼を忘れないようにしましょう。

まとめ

ここまで、50坪の家を解体する際の費用について、住宅構造ごとの相場や工事費用の内訳、解体費用を抑えるポイントまで詳しくお伝えしました。

50坪の家は昨今の一般的な戸建て住宅と比べると大きく、その分解体工事にかかる全体的な費用も高くなりやすい傾向にあります。

しかし、解体費用は木造や鉄骨造といった家の構造ごとに変わるほか、付帯工事の有無や解体業者によっても変動するため、単純な坪数だけでは概算を出すのが難しいものです。

また、相見積もりを取ったり、自治体の補助金制度を活用することで解体費用を抑えられるケースもあります。

「50坪の家を解体する」と決めたら、まずは解体業者への相談と情報収集から始めることがおすすめです。

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本記事の監修

戸建買取再販事業部 事業部長森一也

鉄道を通じて地域の発展に貢献したいとの思いから、JR西日本に入社後、鉄道電気設備の維持・管理業務に携わる。
鉄道だけでなく幅広く地域の発展に貢献したいとの想いから、不動産の買取再販を行うこのびに参画。
鉄道業務で培った高い安全性・信頼性を自身の価値観とし、お客様との信頼関係構築を第一に、一人ひとりに寄り添った提案をすることを大切にしている。
このびでは営業・リフォーム・販売の経験を持ち、現在は事業統括・推進を行っている。
「このび」を通じてお客様に豊かな生活を提供することで、地域の発展に貢献したいと考えている。
子育て真っ盛りの1児の父。趣味はキャンプ。

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