おすすめの空き家管理サービス5選 | 必要性・メリットや空き家を放置するリスクを合わせて解説
使う予定の無い空き家の管理にお困りではありませんか。空き家の維持管理は難しく、サポートを受けたいとお考えの方もいるでしょう。この記事では、おすす...
「亡くなった親族の家を相続したものの、適切な管理ができずに廃墟化してしまう」このような問題を抱えた空き家は、昨今増加しつつあります。
家が遠方にある、または活用が期待できないほど老朽化しているなどの理由から、相続放棄を考えている方も多いのではないでしょうか。相続放棄は、空き家を手放す上で有効な方法の一つですが、管理義務の発生など思わぬ落とし穴もあるため、慎重な検討が必要です。
この記事では、空き家を相続放棄したらどうなるのか、相続放棄の仕組みからポイント、注意点まで詳しく解説します。空き家の相続放棄について検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
空き家を相続放棄すると、主に以下の3つの事象が発生します。
相続放棄後に「知らなかった」と後悔しないためにも、それぞれの内容を確認しておきましょう。
第一順位 | 被相続人(亡くなった人)の子ども |
第二順位 | 被相続人の両親 |
第三順位 | 被相続人の兄弟・姉妹 |
常に相続人となる | 被相続人の配偶者 |
本来の相続人が相続放棄をした場合、空き家を含む遺産の相続権は後順位の相続人に移行します。たとえば、被相続人の子どもが全員相続放棄をした場合、相続権は第二順位である「被相続人の両親」に移るということです。
「空き家管理に困るから」と相続を放棄すると、その負担は別の親族にかかってしまいます。
後々のトラブルを避けるためにも、相続放棄を検討している場合は、相続権のある親族にあらかじめ相談するようにしましょう。
民法第239条で「所有者のない不動産は、国庫に帰属する」と定められていることから、相続人全員が相続放棄をした不動産は国の所有物(国庫帰属)になります。
ただし、国庫帰属を申請するには、通常の相続放棄の手続きに加え、相続財産清算人による財産処分を行わなければなりません。
相続財産清算人は主に弁護士や司法書士などが担当するため、依頼料や報酬の支払いが必要です。
また、空き家をそのまま国の所有物にはできない点にも注意が必要です。2023年4月に施行された「相続土地国庫帰属法」において、国が引き取る対象となるのは土地のみとされています。
したがって、相続人不在となった空き家は解体し、更地にする必要があるのです。この際の解体費用のほか、国に土地を納めた後の負担金なども発生することから、国庫帰属はトータルコストが高くなりやすいケースと言えるでしょう。
相続放棄をしたからといって、すぐに空き家を手放せるわけではありません。
民法第940条では、相続財産に属する財産を現に占有している場合、相続放棄をした後でも相続人や相続財産清算人に財産を引き渡すまでは管理しなければならないと定められています。
「現に占有している」とは、一般的に相続財産を物理的・法律的に支配している状態を示し、具体例として以下が挙げられます。
上記のようなケースに当てはまる場合、正式な引渡しを完了させるまでは、本来の相続人に対して「管理義務」が発生するのです。
「管理義務」とは、相続放棄をしても一定の場合で相続財産の管理を義務付ける制度のことです。ここでは、空き家を相続放棄した際の管理義務について、以下の2点を主軸に解説します。
管理義務がある場合、相続放棄後も空き家の適切な管理が求められる点に注意しましょう。
相続放棄をした後も、その財産が後位の相続人や相続財産清算人に正式に引き渡されるまでは本来の相続人=相続を放棄した人が管理責任を負います。
空き家における「管理責任」とは、大まかに言うと建物・敷地内の現状維持と保全です。居住者のいない家は通常よりも老朽化が進みやすく、放置期間が長引くほど屋根材や外壁の剥離・崩落、侵入者による不法投棄・放火などのリスクが増大します。
万が一これらが要因となって近隣住民に被害が及んだ場合、損害賠償が請求される可能性もあります。したがって、空き家に対する管理責任が生じた場合、損傷個所の補修や定期的な見回りといった最低限の管理が必要となるのです。
たとえ相続放棄の手続きが済んでいたとしても、空き家の引き渡しまで完了しない限り、管理責任は相続を放棄した人が負う点に注意しましょう。
2023年4月の民法改正により、相続遺産の管理義務の範囲が具体的に示されました。
管理義務については民法第940条で規定されていますが、これまでその範囲が曖昧だったため、トラブルに発展した事例も少なくありません。
一例として、空き家の利用や管理が物理的に困難な遠方に住んでいる相続人に管理義務が生じてしまったケースが挙げられます。しかし、改正後は「相続財産に属する財産を現に占有している場合」に管理義務が限定され、具体的な条件が明確になりました。これにより、現在では相続人の抱える負担が軽減されていると言えます。
空き家の相続放棄に関しては、以下の3つのポイントをおさえておくことが大切です。
相続放棄のデメリットも確認した上で、計画的に行動しましょう。
相続放棄は部分的にできるものではなく、すべての遺産が放棄対象となる点に注意が必要です。
つまり、活用用途のない空き家や借金といったマイナスの遺産だけでなく、預貯金や貴金属などのプラスの財産も手放さなければなりません。
一度相続放棄が受理されると、よほど特殊な事由がない限り撤回や取り消しは困難です。空き家の他に相続すべきプラスの財産が遺っていないか入念に確認・検討した上で相続放棄を進めるようにしましょう。
相続放棄の期限は、自分が遺産を相続できると知った日から3ヶ月以内です。
3ヶ月を過ぎてしまうと、相続を承認したとみなされ、相続放棄の手続きができなくなってしまいます。相続財産の調査に時間を要するなどで、どうしても3ヶ月以内の決定が難しい場合は、管轄の家庭裁判所に「相続放棄の期間伸長の申立て」を申請しましょう。
申請が受理されると最大3ヶ月程度まで熟慮期間を伸ばせる可能性があります。なお、申請にあたっては収入印紙、住民票、戸籍謄本などが必要なほか、一定の審査もあるため、なるべく後回しにせず早めに準備をすることが大切です。
自分が相続放棄をし、同順位にも相続する人物がいない場合、相続権は後順位の親族に移行します。しかし中には、自分が相続することを全く想定していない人もいるでしょう。
そのような場合、一般的にマイナスの遺産とされる空き家を相続することへの不安や不満から親族間トラブルに発展する可能性も低くありません。したがって、相続放棄を検討している場合は、実際に放棄するかどうかに関わらず早めに他の相続人に連絡するようにしましょう。
空き家を相続放棄する手続きは、一般的に以下のような流れになります。
相続開始を知った日から3ヶ月以内に裁判所への申述まで済ませる必要があるため、必要書類は早めに準備し、効率的に手続きを進めていきましょう。
はじめに、相続放棄に必要な書類を準備しましょう。
一般的には、以下の書類の提出が必要です。
なお、地域やケースによって必要書類は異なる可能性があります。必ず管轄の家庭裁判所や相続財産清算人に確認を取っておきましょう。
書類の準備が整ったら家庭裁判所に提出し、申述を行います。
家庭裁判所に申述書を提出すると、およそ10日ほどで照会書が送付されます。
照会書は相続放棄の要件を満たしているか審査するためのもので、申述書の内容と事実に相違がないよう、正しく回答しなければなりません。
回答内容に問題がなければ、10日程度で家庭裁判所から「相続放棄申述受理通知書」が発行され、手続きが完了します。
空き家の相続放棄には以下のようなリスクもあります。
それぞれのリスクも理解した上で、空き家の相続放棄を行うべきか改めて検討するようにしましょう。
相続放棄が認められた場合でも、一定の条件下では空き家の管理義務が発生することがあります。民法第940条では、相続放棄をした人が「相続財産を現に占有している場合」、その財産を次の相続人や相続財産清算人に引き渡すまでの間、所有者と同等の注意を払って財産を保存する義務を課しています。
たとえば、空き家を倉庫代わりに使っていたり、空き家の公共料金や固定資産税を支払っていたりすると「使用・管理している」とみなされる可能性があります。この場合、相続放棄後も引き渡しが完了するまで一定期間、管理義務が継続します。
管理を怠ると老朽化が進み、倒壊や景観悪化などのトラブルにつながる可能性があります。空き家の管理義務が一時的に残ることを認識し、適切な対応を心がけましょう。
相続放棄後に管理義務を果たさずに空き家を放置した場合、思わぬトラブルが発生する可能性があります。放置された空き家は老朽化が早く進み、屋根や外壁の剥がれ、建物の倒壊といったリスクを抱えやすくなるものです。
万が一崩れた建材が通行人や隣接する建物に被害を与えた場合、管理責任を問われ、損害賠償を請求されるおそれがあります。また、空き家が放火や不法侵入といった犯罪の温床になる可能性も否定できません。
このような事態が起きると、相続放棄をしたにもかかわらず、空き家を巡る問題から完全に解放されることは難しくなります。相続放棄後も必要な管理を怠らないことが、トラブルやリスクを回避するためのカギとなります。
管理に困る空き家は相続放棄をすることで、煩わしい相続手続きや固定資産税の支払いなどから解放されるメリットがあります。
しかし、相続放棄したにも関わらず空き家の管理義務が生じたり、空き家を相続したくない親族とトラブルになったりすることも少なくありません。また、相続放棄を行うと、空き家だけでなくその他の財産もすべて手放さなければならないため、必ずしもベストな選択とは言えないでしょう。
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鉄道を通じて地域の発展に貢献したいとの思いから、JR西日本に入社後、鉄道電気設備の維持・管理業務に携わる。
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このびでは営業・リフォーム・販売の経験を持ち、現在は事業統括・推進を行っている。
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子育て真っ盛りの1児の父。趣味はキャンプ。