意外とやることが多い?準備と売却後にやることも?家の売却に当たっての20の注意点!

「不動産を売りたいけど、どのように進めたらいいのかわからない…」「家を売るとき、どんな点に注意すればいいの?」

このように感じている方は、不動産の売却を考えたものの、その手続きや流れが複雑で不安になっているのではないでしょうか?

特に不動産は高額な取引となるため、初めて売却する方にとっては失敗のリスクが怖いものです。

今回は家の売却での注意すべきポイントを解説していきます。

不動産の売却は、以下の流れに従い、25の重要なポイントを押さえて進めることで、初めての方でも安心してスムーズに取引を進めることができます。

流れとしてはそれぞれのパートに分けて解説していきます。

  • 自宅の状況と相場を調べる
  • 家を買ってくれる候補者を探す
  • 不動産を市場に出す
  • 買主と売買契約を締結する
  • 必要書類を揃える
  • 不動産の名義変更を行う
  • 売却した翌年に確定申告を行う

ここからはそれぞれ個別に解説していきます。

自宅の状況と相場を調べる

住宅ローン完済が必要

住宅ローンが残っていても家の売却は可能ですが、買主に引き渡す前にローンを完済しなければなりません。これは、ローンで購入した家には「抵当権」が付いているためです。

抵当権とは、借り手が返済を滞った場合に、貸し手がその不動産を取得できる権利のことです。売却する際には、この抵当権を抹消するためにローンを全額返済する必要があります。抵当権が残っていると、万が一売主がローンを滞納した場合、買主の手に渡った不動産が差し押さえられるリスクがあります。

そのため、売却を進める際は、手元資金と売却金額で住宅ローンを完済できる目途がつくか確認しましょう。その際、次の住まいでの生活資金も考慮する必要があります。

相続した不動産の名義確認

相続で得た不動産を売却する場合、その名義が売主であるあなたのものになっているか確認が必要です。相続した不動産の名義が親などのままであれば売却はできません。

この場合、「相続登記」を行って名義を自分に変更する必要があります。

相続登記は、不動産の所有者が亡くなった際に新しい所有者を明確にする手続きです。

これにより、不動産の名義が正式にあなたのものとなり、売却が可能になります。

事前に名義人の確認をしっかり行いましょう。

事前に相場を調べて適正価格を把握する

家を売却する上で最初に行うことは売却価格を調べることです。

家を購入する際には他と比較するために多くの物件を見て来たかと思いますが、売却する場合にも同様で、相場を調べることがとても重要になります。

適性価格を理解していないと市場と乖離した高い価格にこだわりすぎて、売却に必要以上の時間が掛かりすぎることがあります。

相場を調べることで売却価格と短期間での売却に繋がっていきます。

ここでは、一般の方でも調べられる2つのサイトを紹介いたします。

相場調査方法その① レインズマーケットインフォメーション

こちらのサイトは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理しています。

参照:レインズマーケットインフォメーショ

相場調査方法その② 土地総合情報システム

こちらのサイトは、国土交通省が運営・管理しています。

参照:土地総合情報システム 不動産取引価格情報検

2つのサイトはどちらも実際に売却した価格を見ることが出来るので、近隣物件や築年数が近い物件がどの水準で売却されているかを理解しておきましょう。

売却までの期間を理解する

不動産が売れるまでには平均して1~6か月かかることを理解しておきましょう。

これだけ幅がある理由は売り方の問題で、仲介経由で売却を進めると4~6カ月掛かりますが、買取業者に売却する場合は1~2カ月と短期で売却することができます。

すぐに売却できると思って計画を立てると、思惑が外れてしまう可能性があります。

時間とスケジュールに余裕をもって売却に取り組むことが重要です。

売却時の費用を理解する

不動産を売る際には売主にも費用がかかることを理解しておきましょう。

仲介手数料や印紙税、抵当権抹消費用など、売却価格の4~6%程度の費用が発生します。これらの費用を事前に把握し、準備しておくことが大切です。

家を買ってくれる候補者を探す

買主探しや書類作成に手間と時間がかかる

自分で買主を見つけて不動産を売却することは可能です。

しかし、一から買主を探したり、売買契約の書類を自力で作成するのは、非常に手間と時間がかかります。

個人間での売買を希望する場合は、準備に手間と時間がかかることをあらかじめ理解しておきましょう。

平日のみ営業する法務局の手続きには早退や休みが必要

不動産売却後の「所有権移転の登記」は、管轄の法務局で行います。

法務局の開庁時間は平日の午前8時30分~午後5時15分で、昼休み時間帯(午前11時45分~午後1時45分)は対応に時間がかかることもあります。

土曜・日曜・祝日、年末年始(12月29日~1月3日)は窓口が閉まっているため、手続きには早退や休みが必要です。

個人間売買のトラブルに注意

個人間での不動産売買はトラブルが発生しやすいです。

特に多いのが、物件引渡し後に隠れた欠陥(瑕疵)が見つかる「瑕疵担保責任」の問題です。

建物の基礎部分の欠損、雨漏り、壁のひびなどが該当します。

法律では、買主が瑕疵に気付いた日から1年間、売主が責任を負います。

ただし、個人間の売買ではこの期限を自由に設定できます。

重要なのは契約書にその旨を明記することです。

個人間の売買では、契約代金や物件の状態についてのトラブルも発生しやすいので、慎重な対応が求められます。

個人売買では住宅ローンが利用できない場合がある

個人間売買では住宅ローンが利用できない場合があります。

金融機関にとっては個人間売買はリスクが高いためです。

また、個人間売買では「重要事項説明書」の提出が義務付けられていないため、ローン審査が通りにくいこともあります。

複数の不動産会社に査定依頼をする

不動産会社に査定依頼をする際は、複数の会社に依頼しましょう。

複数社の情報を比較することで、正しい査定額を予想できます。

また、各会社の対応や営業方法を比較することで、信頼できる会社を選ぶことができます。

査定結果は必ず書面で受け取る

査定結果は必ず書面で受け取りましょう。

口頭のみの伝達では誤解が生じやすく、トラブルの原因になります。

書面で査定結果を確認することで、正確な情報に基づいた売却計画を立てることができます。

売却方法の違いを理解する

不動産の売却方法には「仲介」と「買取」があります。

「仲介」は不動産会社が買主を探し、「買取」は不動産会社が直接買い取る方法です。

自分の状況に合った方法を選びましょう。

それぞれの特徴についてはこちらの記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。

不動産会社と「媒介契約」を結ぶ際、以下の3つのスタイルがあります。

  • 一般媒介契約:複数の不動産会社に依頼可能
  • 専任媒介契約:1社のみに依頼、自分で買主を見つけた場合は、自分が直接売却可能
  • 専属専任媒介契約:1社のみに依頼、自分で買主を見つけても、不動産会社の仲介が必要

それぞれの契約内容を理解し、最適な契約を選びましょう。

「囲い込み」に注意する

「囲い込み」とは、不動産会社が物件情報を市場に公開せず、買主を自社で見つけることです。

これにより、売主はより条件の良い買主を見つける機会を失う可能性があります。物件情報が適切に公開されているか確認しましょう。

売り出し価格は少し高めに設定する

売り出し価格は少し高めに設定しましょう。

価格交渉で値下げを要求されることが多いため、余裕を持たせた価格設定が重要です。

高めに設定することで、希望に近い価格で売却できる可能性が高まります。

不動産を市場に出す

売却時期を見極める

不動産を売る際には、最も売れやすい時期に合わせることが重要です。

一般的に、不動産の取引件数が最も多いのは3月と9月です。

この時期は新学期や新年度の準備が進み多くの人が引っ越しや転勤をするため、売買も活発になります。

市場が活発であれば、より多くの人に物件情報を届けるチャンスとなります。

そのため、不動産を迅速に売却したい場合は、3月を見据えて、1月頃から情報を出し始めるのが良いでしょう。

一方、取引が減少するのは1月と8月です。

8月は真夏で引っ越しや物件探しには適さない季節です。

一方、1月は取引自体は少ないものの、春の引っ越しに向けて多くの人が情報を探し始める時期です。

そのため、この時期に物件情報を広く流すことで、成約に繋がりやすくなります。

内覧前の掃除

内覧が始まる前に、室内をしっかり清掃しておくことが重要です。

リビングや各居室はもちろんのこと、玄関や浴槽、洗面所、トイレなどの水回りは特に念入りに掃除しましょう。

壁や床、窓ガラスも自分で掃除できるところは綺麗にし、汚れはしっかり落としましょう。

ベランダやバルコニーも見落とされがちですが、内覧者はこの点もよく見ています。

掃き掃除や水掃除をして、スリッパや枯れた観葉植物などが散乱していないようにしましょう。

むやみにリフォームしない

部屋を少しでも良く見せようとリフォームするのは避けましょう。

購入希望者の中には、全体のリノベーションを考えている人も多いため、せっかくリフォームしても購入後に撤去されてしまうことが多いです。

無駄な費用をかけるよりも、掃除に力を入れて室内の状態を改善する方が効率的です。

物件の欠陥は必ず伝える

売買する物件に欠陥がある場合、売主はその旨を買主にきちんと伝える義務があります。

これを「売主の説明義務」と言います。たとえば、壁のひび割れや屋根の雨漏りを隠して売った場合、売主は法律違反となり、買主から損害賠償請求をされる可能性があります。

そのため、売主は欠陥についてしっかりと説明しなければなりません。

内覧者との口約束を避ける

内覧者との口約束には注意が必要です。

たとえば、話の中で価格の値下げや家具・設備の譲渡を口約束してしまうと、後日トラブルになる可能性があります。

トラブルが発生すると、成約の話が振り出しに戻ることもあります。

その場の雰囲気で口頭の約束をするのは避け、一度書面に起こしてよく検討した上で交渉を進めることが大切です。

買主と売買契約を締結する

買主を探したり、売買契約の書類を作る等すべて自力なので手間と時間がかかる」でもお伝えしたように、売買契約書には非常に重要な内容が記載されているため、間違いがないか細かく確認することが必要です。

不動産会社が仲介に入っている場合は、主に不動産会社が契約書を作成します。

しかし、売主と買主の直接取引であれば、どちらが契約書を作成しても構いません。

ただし、不動産取引に不慣れで不安を感じる場合は、司法書士に書類作成を依頼するのも良いでしょう。

必要書類を揃える

必要書類の一例としては以下の通りとなります。

書類名入手方法
登記済権利書売主が所有済み
身分証明書売主が所有済み
間取り図売主が所有済み
建築確認済済証・検査済証(一戸建ての場合)売主が所有済み
★地積測量図・境界確認書(土地の場合)売主が所有済み(紛失の場合は法務局へ要相談)
新築販売時の広告やパンフレット売主が保管している場合もある
建築設計図書・工事記録書売主が保管している場合もある
耐震診断報告書・アスペスト使用調査報告書売主が保管している場合もある
地盤調査報告書・住宅性能評価書・既存住宅性能評価書売主が保管している場合もある
ローン償還表売主が所有済み
★管理規約・使用細則(マンションの場合)売主が所有済み(紛失時はマンション管理会社に依頼できる)
★重要事故に関する調査報告書(マンションの場合)マンション管理会社に依頼
固定資産税納税通知書不動産の持ち主が所有済み
★実印と印鑑証明実印は売主が所有済み 印鑑証明は役所で入手
★固定資産評価証明書役所で入手。もしくは仲介会社に依頼して手配してもらうのも可
★住民票の写しもしくは戸籍附票住民票の写し→役所
戸籍附票→本籍の置いている市役所

家を売る際には、マンションの管理組合や役所、その他さまざまな機関から取り寄せなければならない書類があります。これらをギリギリのタイミングで用意しようとすると、間に合わなくなることがありますので注意が必要です。

特に注意すべき書類には★印をつけましたので、確認してください。

時間がない中で慌てて準備すると、書類に不備が出てしまい、スムーズな取引が難しくなります。

そうならないよう、前もって準備を始めることをお勧めします。

不動産の名義変更を行う

売買契約が済んだら、次に行うべきことは、売却した不動産の名義を売主から買主へ変更することです。この作業は、不動産の所有者を正式に証明するための重要な工程ですので、ミスのないように行いましょう。

登記申請書の記載は正確に

登記申請書に記載する際は、文字の書き損じに十分気を付けましょう。

一文字の漢字ミスでも審査からはねられることがあります。

万が一、記載を誤ってしまった場合は、間違えた箇所に二重線を引き、訂正印を押してください。

一字一句丁寧に、間違いのないよう記載することが重要です。

名義変更は速やかに行う

不動産の名義変更には法的な期限はありません。

しかし、面倒だからと後回しにしてしまうと、トラブルが発生する可能性があります。

名義変更が行われていない場合、不動産の売却ができなくなります。

例えば、親族や知り合いから不動産を購入した場合、近しい関係だからと「名義変更はそのうちに」と先延ばしにしてしまうことがあるかもしれません。

名義変更の法的な期限がないとはいえ、購入時に名義変更をしておかないと、そのまま忘れてしまうこともあります。

いざその不動産を売却したくても、名義が親族や知り合いのままであるために、あなたが自由に売却することはできず、絶好の売り時を逃すことも考えられます。

そのため、不動産の売却後は、できるだけ早いタイミングで名義変更を行うことをお勧めします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

家の売却は高額な取引かつ慣れないことが多いため、神経を張ることが多いだけでなく、うまくいかないことが多いものです。

そんな時は、株式会社JR西日本イノベーションズが運営する不動産の買取再販サービス「このび」を利用してみてはいかがでしょうか。

「このび」では査定から売却まで最短で1カ月で手続きを行うほか、築古物件や仲介経由では買い手がつかなかった物件でも買取を行うことが出来ます。

空き家や自宅の売却に関する相談がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

本記事の監修

戸建買取再販事業部 事業部長森一也

鉄道を通じて地域の発展に貢献したいとの思いから、JR西日本に入社後、鉄道電気設備の維持・管理業務に携わる。
鉄道だけでなく幅広く地域の発展に貢献したいとの想いから、不動産の買取再販を行うこのびに参画。
鉄道業務で培った高い安全性・信頼性を自身の価値観とし、お客様との信頼関係構築を第一に、一人ひとりに寄り添った提案をすることを大切にしている。
このびでは営業・リフォーム・販売の経験を持ち、現在は事業統括・推進を行っている。
「このび」を通じてお客様に豊かな生活を提供することで、地域の発展に貢献したいと考えている。
子育て真っ盛りの1児の父。趣味はキャンプ。

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