更地にする費用はいくら?家の解体費用相場と更地にして売却するメリット・デメリット
家を更地にする費用にお悩みではありませんか?更地にした方が高く売れる場合があるものの、家を解体すべきかどうか迷われている方も多いのではないでしょ...
「家を解体したいけど、どれくらい費用がかかるんだろう」このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実は、家屋の解体費用は「坪単価」からおおまかに計算ができることをご存じでしたか?
この記事では、家の解体費用のベースとなる坪単価について、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート(RC)造の構造別に解説します。あわせて、全体的な解体費用を安く抑えるコツも紹介するため、ぜひ参考にしてください。
目次
住宅解体における「坪単価」は、建物1坪あたりの解体費用のことを指します。
おおよその坪単価がわかれば解体費用を概算できるため、家の解体を進めるにあたり、おさえておきたい情報の一つと言えるでしょう。
なお「坪」とは、日本独自の計量法である「尺貫法」から生まれた「広さ」を表す単位です。
1坪=畳2枚の広さとされ、平米に置き換えると3.3㎡になります。家の延べ床面積を見た際に、坪数ではなく平米で記載されていることもあるでしょう。
このような場合は、「延べ床面積(㎡)×0.3025」で計算すると坪数に換算が可能です。たとえば、延べ床面積が123.8㎡の場合、「123.8(㎡)×0.3025=37.4495」で、約38坪の住宅ということになります。
家の解体費用を見積もる際に重要な指標となる「坪単価」ですが、その金額は一律で決まっているわけではありません。理由として、解体する住宅の条件によって工事費用が大きく異なるためです。
まず、木造・鉄骨・鉄筋コンクリート(RC)といった構造の違いによって、解体費用は変動します。さらに、立地や周辺環境、着工時期などの要素も単価に影響を及ぼすため、個人で正確な坪単価を算出するのは難しいのが実情です。
一方で、解体費用が事前に分かっている場合は、その金額を元に坪単価を計算できます。たとえば、30坪の家の解体費用が210万円であれば、「210万円 ÷ 30坪 = 7万円」となり、坪単価は7万円になります。
複数の業者から見積もりを取り、それぞれの解体費用が判明している場合、これを基に坪単価を計算・比較することで、より納得のいく業者選びが可能です。
解体工事において、坪数が大きくなるほど坪単価が安くなるのは事実です。
その理由は、解体工事の共通作業にあります。たとえば、重機の搬入・足場の設置・廃材の処理などは現場の規模に関わらず一定のコストがかかります。
しかし、坪数が大きくなるとそのコストが全体の面積で分散されるため、結果的に坪単価が下がるのです。工場での発注において、少量発注より大量発注のほうが単価が安くなるのと同じ仕組みと言えるでしょう。
ただし、安くなるのはあくまで「坪単価」であり、工事の総費用が安くなるとは限りません。
解体費用は、建物の構造や種類、立地、さらには解体業者のスケジュールなど、さまざまな要素を考慮して総合的に算出されます。
「坪数が大きい=総費用が安くなる」というわけではないため、注意しましょう。
ここでは、一般的な木造住宅の解体費用の坪単価・および坪数ごとの相場を紹介します。
木造住宅の一般的な坪単価は3〜4万円です。
建材の取り壊しやすさから、鉄骨造、鉄筋コンクリート(RC)造と比較して一番価格が低くなりやすい傾向にあります。
木造住宅の坪数別の一般的な解体費用は以下の通りです。
坪数 | 解体費用の目安 |
20坪 | 60~80万円 |
30坪 | 90~120万円 |
40坪 | 120~160万円 |
50坪 | 150~200万円 |
60坪 | 180~240万円 |
70坪 | 210~280万円 |
80坪 | 240~320万円 |
90坪 | 270~360万円 |
100坪 | 300~400万円 |
坪数の目安として、現代の平均的な2階建て・4LDKの一軒家が30坪〜40坪です。
したがって、90〜160万円の解体費用になるケースが多いでしょう。
つづいて、一般的な鉄骨造住宅の解体費用の坪単価・および坪数ごとの相場を紹介します。
鉄骨造住宅の一般的な坪単価は4〜6万円です。
坪単価に影響する要素として、建材の強度(取り壊しやすさ)があります。
鉄骨造住宅は、家屋に使用されている鉄骨の厚みによって「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」の2種類に分かれ、強度が異なるのが特徴です。
重量鉄骨造は軽量鉄骨造より1万円ほど坪単価が高くなるため、同じ坪数・同じ階数の鉄骨造住宅でも、価格が変動する可能性に注意が必要です。
鉄骨造住宅の一般的な坪数別の解体費用は以下の通りです。
坪数 | 解体費用の目安 |
20坪 | 80~120万円 |
30坪 | 120~180万円 |
40坪 | 160~240万円 |
50坪 | 200~300万円 |
60坪 | 240~360万円 |
70坪 | 280~420万円 |
80坪 | 320~480万円 |
90坪 | 360~540万円 |
100坪 | 400~600万円 |
現代の平均的な住宅坪数が30〜40坪のため、鉄骨造住宅では120〜240万円の費用がかかると考えられます。
最後に、鉄筋コンクリート(RC)造住宅の一般的な坪単価と坪数別の解体費用相場を紹介します。
鉄筋コンクリート(RC)造の一般的な坪単価は、6〜8万円です。
3つの住宅構造のうち、最も強度の高い建材を使用しているため、坪単価も高くなりやすい傾向にあります。また、工法や種類によって同じ鉄筋コンクリート(RC)造でも解体費用が大きく変動する可能性があります。
したがって、坪数だけではなく、自身の家がどのような工法で建てられたのかも確認しておくとよいでしょう。
鉄筋コンクリート(RC)造住宅の一般的な坪数別解体費用は以下の通りです。
坪数 | 解体費用の目安 |
20坪 | 120~160万円 |
30坪 | 180~240万円 |
40坪 | 240~320万円 |
50坪 | 300~400万円 |
60坪 | 360~480万円 |
70坪 | 420~560万円 |
80坪 | 480~640万円 |
90坪 | 540~720万円 |
100坪 | 600~800万円 |
一般的な戸建て住宅が30〜40坪のため、180〜320万円の解体費用がかかると言えるでしょう。
なお、表に記載した価格はあくまで目安です。解体工事にかかる総費用は、付帯工事費や諸費用なども合わせて算出されます。実際の金額は必ず解体業者に確認するようにしましょう。
ここでは、解体費用が高くなる3つの要因について解説します。
家の解体費用は坪単価だけで決まるものではありません。
ご自身の家にも当てはまる要素がないか、事前に確認しておきましょう。
敷地内に庭木が植えられている場合、伐根(樹木を根から完全に除去すること)作業が必要です。家の解体は住居のみを対象としているため、庭木など屋外にある物の解体・撤去は「付帯工事」として別途費用が発生します。
伐根費用は木の種類や幹の太さによって変動しますが、最低価格3,000円からの設定が一般的です。大きなサクラの木や竹など、人力での伐根が難しく重機の使用が必要な場合は、10万円を超えるケースも少なくありません。
さらに、抜いた樹木の処分費用もかかることから、解体総費用を高くする大きな要因となります。解体する家の敷地内に樹木を植えている方は、見積もり時に伐根費用についても確認するようにしましょう。
解体する家にアスベスト(石綿)が含まれている場合、特殊な除去作業が必要となります。
アスベスト除去にかかる費用は、除去面積が300㎡以下の場合、1㎡あたり2万〜8.5万円が目安です。
ただし、アスベストの含有箇所によっては除去作業が難しくなるため、金額がさらに上乗せされる可能性があります。アスベストの使用が全面禁止された2006年9月以降に施工された家であれば、基本的に考慮する必要はありません。しかし、それ以前に建てられている家の場合は、まずアスベストの有無を確認しておくことをおすすめします。
地中埋設物の撤去は付帯工事扱いとなるため、住宅解体の総費用が高くなる要因の一つです。
「地中埋設物」とは、文字通り地中にある設備・物のことで、地下室や地下収納のほか、古い井戸や浄化槽なども含まれます。
家主が存在を認識している地下室などであれば、規模によって50〜300万円ほどの価格が解体費用に上乗せされるのが一般的です。一方、古井戸や浄化槽、廃材といった地中埋設物は工事中に初めて見つかることが多く、費用もその時々に応じて変動する傾向にあります。
とはいえ、地中埋設物を撤去せずに土地を売却すると、後々買主とトラブルになるおそれもあるため、節約が特に難しい部分と言えるでしょう。
家の解体費用を少しでも安く抑えるために、以下の4つの点に留意しましょう。
坪単価の高い家でも、コツをおさえることでコストカットが期待できます。
家の解体費用は業者ごとに異なるため、複数の解体業者から工事の見積もりを取得するのがおすすめです。
解体費用がわかれば、そこからおおよその坪単価も算出できます。また、見積もりを取った際は、費用の内訳も詳しく確認しましょう。一部には、見積もりに記載していない追加料金を契約後に請求するような悪質な業者も存在します。提示価格が極端に安い解体業者には特に注意が必要です。
費用・担当者の対応・信頼性などを複数の業者間で比較検討することで、よりコストパフォーマンスの高い解体工事が期待できます。
一部の自治体では、空き家解体に使用できる補助金や助成金を交付しています。
一例として、滋賀県草津市の補助金制度を紹介しましょう。
名称 | 草津市不良空き家除却促進補助金 |
内容 | 倒壊等により周囲の環境に悪影響を及ぼすおそれのある空き家の除却を促進し、近隣住民が安心安全で快適に暮らせるまちを確保することを目的に、市内に在する不良な空き家の除却工事を実施する所有者等に対し、費用の一部を補助 |
適用条件 | 1年以上居住等がされていないものであること個人所有であること補助を受ける目的で故意に破損等させたものでないこと原則、所有権以外の権利が設定されていないものであること空家等対策の推進に関する特別措置法第22条第2項の規定により措置をとることを勧告されている特定空家等でないこと家屋が傾いていたり、屋根や外壁が崩れている等、かなり老朽化したものであること(以下の不良度判定基準に掲げる評定項目の評点の合計が100点以上のものであること) |
対象者 | 空き家の所有者または所有者の相続人市税を滞納していないこと国や県、市の公有地取得に伴う損失補償を受けていないこと暴力団員でないこと |
助成金額 | 補助対象工事に要する経費の4/5の額(上限50万円) |
※2024年12月時点の情報
自治体の補助金制度は申請期間や適用条件が厳しく定められているものの、活用できれば費用節約に役立つでしょう。なお、ほとんどの補助金制度が着工前の申請を条件としています。
家の解体を決めたら、まずは利用できる補助金がないか市役所に相談するのがおすすめです。
解体する家にある家具・家電などの残置物を事前に処分しておくことも、解体費用を抑えるポイントになります。
やむを得ない事情がある場合は、残置物がある状態でも解体工事を進めることは可能ですが、その分の撤去費用が解体費用に上乗せされてしまいます。
したがって、フリマアプリなどを利用して、残置物はできる限り自分で処分するのがよいでしょう。
昨今では地元特化型の譲渡サービスも人気があり、リサイクルショップでは断られるようなものでも引き取ってもらえるケースがあります。粗大ごみのように回収手数料を支払う必要がない点もメリットと言えるでしょう。
解体費用の見積もりに納得いかない場合や費用負担が重いと感じる場合、不動産の「買取」を選択するのも一つの方法です。
買取は、仲介による通常の売却とは異なり、不動産会社が直接買い手となるため、売主が家を解体する必要がありません。そのため、手続きがスムーズで、スピーディーな売却が期待できます。
「資金に余裕がない」「できるだけ早く家を手放したい」などの理由でお悩みの方には、解体費用の負担を軽減できる買取の利用をおすすめします。
JR西日本グループの「このび」では、買い取った家をリフォーム・リノベーションして新たな価値を創出する「不動産買取再販」を行っています。
解体費用に関するお悩みや早期売却のご相談がある際は、ぜひ「このび」へお気軽にご連絡ください。
住宅1坪あたりの解体費用である「坪単価」は、解体総費用を算出するための重要な指標の一つです。
しかし、解体業者ごとにベースとなる価格設定が異なるため、一律で計算するのが難しい数値でもあります。
また、家の解体費用には、坪単価だけでなく、屋外設備や庭木などを撤去するための「付帯工事費」など様々な費用が含まれています。したがって、適切な解体費用を把握するには、解体業者ごとに見積もりを取得し、詳しい内訳を確認することが大切です。
残置物の事前撤去や自治体の補助金を利用することでも解体費用は節約できますが、どうしても負担が大きい場合は買取を利用する方法もあります。
自身の希望や状況を考慮し、後悔のない不動産売却を実現させましょう。
JR西日本グループが運営する「このび」は、これまで大切にされてきた家を、お客様の想いと共に次の所有者様へと繋ぐ不動産買取再販サービスです。
古い家や仲介での売却が難しい物件でも積極的に買取を行い、売却期間は最短1ヶ月と、迅速かつスムーズな取引が可能です。
お客様の負担を最小限に抑え、安心して売却を進めていただけるのが「このび」の強みです。
いま、解体を検討している家にも新たな価値が見出されるかもしれません。
不動産売却をご検討中の方は、ぜひ一度「このび」へご相談ください。
鉄道を通じて地域の発展に貢献したいとの思いから、JR西日本に入社後、鉄道電気設備の維持・管理業務に携わる。
鉄道だけでなく幅広く地域の発展に貢献したいとの想いから、不動産の買取再販を行うこのびに参画。
鉄道業務で培った高い安全性・信頼性を自身の価値観とし、お客様との信頼関係構築を第一に、一人ひとりに寄り添った提案をすることを大切にしている。
このびでは営業・リフォーム・販売の経験を持ち、現在は事業統括・推進を行っている。
「このび」を通じてお客様に豊かな生活を提供することで、地域の発展に貢献したいと考えている。
子育て真っ盛りの1児の父。趣味はキャンプ。