中古物件は住宅ローン審査が通りにくい?理由と対策を解説

中古物件購入時に、住宅ローンの利用を検討している方も多いでしょう。

しかし、中古物件は住宅ローン審査が通りにくいと言われることがありますが、その理由や対策をご存知でしょうか。

この記事では、中古物件の住宅ローン審査が通りにくいと言われる理由や通るためのポイント・通らなかった場合の対応について詳しく解説します。

中古物件の住宅ローンが通りにくい理由とは?

中古物件の住宅ローンが通りにくいと言われる理由には、以下のようなことが挙げられます。

  • 物件の評価が低い
  • 旧耐震基準である
  • 再建築不可物件である
  • 借り手側の条件が原因

それぞれ詳しくみていきましょう。

物件の評価が低い

住宅ローンは、基本的に対象の物件を担保に、融資してもらいます。

万が一、返済が滞った場合は、金融機関は担保物件を売却して残債を回収するため、担保としての評価が低ければ審査に落ちたり・希望額を借入れられなかったりする可能性が高くなるのです。

建物の価値は、築年数の経過によって下がります。

新築で住宅ローンを検討する場合は販売価格と担保評価がそれほど変わりませんが、中古の場合は販売額よりも担保評価が大幅に低いケースは少なくありません。

一般的に金融機関は、固定資産税評価額や路線価・法定耐用年数などで物件の担保価格を評価します。

一方、販売価格は売主の都合や市場などにも左右されるため、担保評価の方が低くなるケースは少なくないのです。

とくに築年数が古い物件の場合、建物としての資産価値はほぼないという評価になるケースも珍しくありません。

借入希望額よりも担保評価が低ければ、住宅ローン審査も厳しくなるので注意しましょう。

旧耐震基準である

旧耐震基準が適用されている物件は、住宅ローン審査に通らない可能性が高くなります。

そもそも旧耐震基準の物件は、住宅ローンの対象外という金融機関も少なくないので注意が必要です。

現行の耐震基準は、1981年6月1日以降の「新耐震基準」です。

さらに、厳密に言えば2000年6月1日の改定で内容がさらに厳しくなった「2000年基準」となります。

1981年5月31日以前の耐震基準は「旧耐震基準」と呼ばれ、現行の耐震基準よりも倒壊のリスクは高まります。

中古物件の場合、旧耐震基準が適用されているケースも少なくないため、まずは適用されている耐震基準を調べることが大切です。

ただし、旧耐震基準であっても途中で耐震補強し現行の基準を満たしているケースもあります。

耐震基準を調べる際には、耐震補強の履歴まで確認するようにしましょう。

再建築不可物件である

再建築不可物件とは、いま建っている建物を解体すると新しい建物を建てられない土地です。

再建築不可物件になる原因はさまざまありますが、代表的なケースに「接道義務を満たせない」というものがあります。

建築基準法では、建物を建設するためには「幅4m以上の道路に2m以上接する」という規定があります。

しかし、接道義務ができる以前の道路は幅4m未満のものも少なくありません。

その場合、すでに建っている建物は違法でなくても、新しく建築するとなると接道義務を満たせないため建築できないのです。

再建築不可物件の場合、購入後に活用しにくいため担保評価も低くなります。

そもそも再建築不可物件は住宅ローンの対象外の金融機関の多いので、注意しましょう。

借り手側の条件が原因

中古物件に限らず、住宅ローン審査では建物だけでなく借り手の年収や勤務先なども審査の対象です。

物件に問題がなくても、借り手側が原因となって審査に通らないケースも多いので注意しましょう。

住宅ローン審査で、個人の属性として主に審査される項目には、以下のようなものがあります。

  • 年齢(借入時・完済時)
  • 年収
  • 勤務先・雇用形態
  • 勤続年数
  • 借入状況
  • 返済比率
  • 健康状態
  • 家族構成

とくに、仮審査や物件情報資料提出前に落とされるケースでは、個人属性が原因といえるので、不利になっている項目がないかチェックしてみるとよいでしょう。

中古物件の住宅ローン審査を通すためのポイント

中古物件だから住宅ローンが借りれないというわけではありません。

とはいえ、新築よりもハードルは上がりやすいのでポイントを押さえておくことも大切です。

ここでは、中古物件の住宅ローン審査を通すためのポイントとして、以下の3つを解説します。

  • 頭金を増やす
  • 他の借入を返済しておく
  • 属性を高める

頭金を増やす

借入希望額を少なくすると担保評価が低い中古物件でも、希望額を借入れやすくなります。

頭金をできるだけ多く入れられないか検討するようにしましょう。

自身の資産状況を洗い出して、いくらまで頭金を用意できるか明確にし、できる範囲で増額するとよいでしょう。

ただし、住宅は購入後にも修繕費などのコストがかかります。

生活費の半年分は確保しておきたいため、資金の全額を頭金に入れるというのはおすすめできません。

自己資金で対応するのが難しい場合は、親や親戚に援助を頼むのも検討するとよいでしょう。

なお、頭金のために別の借入をするのはもっとも避けるべき方法です。

住宅ローンは他のローンに比べて金利が低いという特徴があります。

金利の低い住宅ローンの借入額を減らして、金利の高いローンを組むと返済の負担が高額になるだけなのでやめましょう。

他の借入を返済しておく

住宅ローン審査では、返済比率もチェックされます。

返済比率とは、年収に占める年間の返済額のことです。

例えば、住宅ローンの返済額が年間120万円で年収400万円なら、返済比率は30%となります。

一般的に、金融機関は返済比率30~35%を基準としており、それより高い比率となると審査に通りにくくなるのです。

返済比率は、住宅ローンの返済額だけでなく他の返済額も含めた年間の返済額で算出します。

他に借入がある状態では返済比率が高くなりやすいので、まずは他の借入を完済するとよいでしょう。

金融機関は個人信用情報をチェックするので、他の借入状況は把握されます。

「黙っていれば分からない」とはならないので、正確に申告することも大切です。

属性を高める

個人属性が不利になる場合は、属性を高めることも重要で鵜s。

以下のような方法が検討できます。

  • 自己資金を増やす
  • 年収が低いなら収入合算で収入を高める
  • 個人信用情報に問題があるなら履歴が消えるのを待つ
  • 勤続年数が1年を超えるのを待つ
  • 他の借入を完済する
  • 不要なクレジットカードは解約する
  • 住宅ローン審査までの転職・独立はしない

何が不利になるのかを理解して、対策するようにしましょう。

なお、属性が不利になるからといって申込時に虚偽の申告をするのは、避けるべきです。

審査の際には、申込内容の精査が行われるので、基本的に虚偽の申告はバレます。

バレてしまうと信頼性がないと判断されるだけでなく規約違反にもなりかねないので、不利な情報でも正直に申告することが大切です。

中古物件の住宅ローンが通らない場合の対策

住宅ローンが通らないからといってすぐに諦める必要はありません。

住宅ローンが通らない場合でも、次のような対策で通る可能性を残すことが可能です。

  • 通らない原因を探す
  • 借入希望額を減らす
  • 物件を見直す
  • フラット35を検討する
  • 他の金融機関に申込む

通らない原因を探す

審査に通らなかった場合、まずは何が原因で審査に通らなかったのかを考えることが大切です。

物件に問題があるのか、個人属性に問題があるのかによっても取るべき対策が異なってきます。

仮審査や物件情報提供までに落ちるなら個人属性、仮審査は通ったのに物件情報を提出したら落ちたという場合は物件に問題がある可能性が高いでしょう。

基本的に、審査に通らなかった理由を金融機関が教えてくれることはありません。

とはいえ、落ちる理由はある程度共通しており、代表的なものは以下の通りです。

  • 完済時の年齢が高い
  • 勤続年数が短い
  • 他の借入がある
  • 年収に対して借入希望額が高い
  • 物件評価に対して借入希望額が高い
  • 年収が低い・不安定
  • 個人信用情報に傷がある(滞納履歴や自己破産履歴がある)
  • 健康状態に不安がある

上記のような理由に該当しないかチェックして、必要な対策を講じることが大切です。

金融機関の担当者によってはアドバイスをもらえる可能性もあるので、相談してみるのもよいでしょう。

借入希望額を減らす

年収や物件評価に対して借入希望額が高すぎると審査に落ちてしまいます。

その場合は、借入希望額を減らすことが有効です。

先述したように、自己資金や親からの援助などで頭金を多く用意し、借入額の減額を試みてみましょう。

物件を見直す

物件の担保評価が原因の場合、より条件の良い中古物件を探してみる方法があります。

条件が良く資産価値がそれほど下がっていない中古物件であれば、担保評価も高く住宅ローン審査でも問題にならない可能性があるでしょう。

より安値の物件を探すという方法もありますが、担保評価が下がりやすい物件ではやはり審査が通りにくくなるので注意が必要です。

価格と担保評価両方のバランスで、条件の良い物件を探すとよいでしょう。

フラット35を検討する

旧耐震基準の物件・健康に不安があるという理由で審査に落ちたなら、フラット35を検討するのも一つの手です。

フラット35は、住宅金融支援機構の提供する全期間固定金利タイプの住宅ローンです。

フラット35では、旧耐震基準の物件であっても耐震評価基準に適合することで申込むことが可能です。

また、団体信用生命保険(団信)への加入も必須としていないため、健康状態に不安があり団信に加入できない人でも検討しやすいという特徴があります。

全期間固定金利は、借入後に金利上昇リスクを避けられるというメリットもあるので、問題がない場合でも候補の一つとして検討するのもよいでしょう。

他の金融機関に申し込む

住宅ローンの審査基準は、金融機関によって異なります。

同じ条件でもA金融機関では落ちたけど、B金融機関では通ったというケースは珍しくありません。

一つの金融機関に落ちた場合でも、審査に通りそうな別の金融機関を探して申込むとよいでしょう。

ただし、短期間で多くの金融機関に申し込むのはおすすめできません。

金融機関は、個人信用情報を照会することで住宅ローンに申し込んだ履歴をしることが可能です。

短期間にいくつも申込んでおり、どこも通っていないとなると落ちるだけの何かがあると思われてしまうので注意が必要です。

多くても2〜3つに絞って申込むことをおすすめします。

まとめ

中古物件は、担保評価の低さから新築に比べて住宅ローン審査に不利になりやすくなります。

しかし、住宅ローンの審査は物件の評価以外にもチェックされるので、自身の状況なども含めて対策することが大切です。

中古物件であっても、物件選びや資金の準備・金融機関選びなどで住宅ローンに通る可能性は十分あります。

「中古物件だから」と諦めるのではなく、しっかり対策して理想の家を手に入れられるようにしましょう。

中古物件の購入前に、今住んでいる家を売却する場合は買取を視野に入れると築年数の古い物件でもスムーズな売却が期待できるでしょう。

このびはJR西日本グループの不動産買取再販サービス

このびでは、地域で大切に使われてきた家を買取、新しい形に生まれ変わらせ次の家族にバトンタッチするお手伝いをしています。

住み替えで今の家の売却を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

本記事の監修

戸建買取再販事業部 事業部長森一也

鉄道を通じて地域の発展に貢献したいとの思いから、JR西日本に入社後、鉄道電気設備の維持・管理業務に携わる。
鉄道だけでなく幅広く地域の発展に貢献したいとの想いから、不動産の買取再販を行うこのびに参画。
鉄道業務で培った高い安全性・信頼性を自身の価値観とし、お客様との信頼関係構築を第一に、一人ひとりに寄り添った提案をすることを大切にしている。
このびでは営業・リフォーム・販売の経験を持ち、現在は事業統括・推進を行っている。
「このび」を通じてお客様に豊かな生活を提供することで、地域の発展に貢献したいと考えている。
子育て真っ盛りの1児の父。趣味はキャンプ。

関連記事

簡易査定は
こちら!