格安の中古物件てどうなの?見つけるためのポイントや購入前に押さえておきたいポイント

「格安中古物件なら費用を抑えられる!」「格安はなんだか怖い」そんなイメージを持っている方も多いでしょう。

格安中古物件には価格の安さという魅力がある反面、格安になる理由もあるので事前に確認すべきことがいくつかあります。

また、格安中古物件をどこで探せばいいのか分からないという方も多いものです。

この記事では、格安中古物件のメリット・デメリットや購入時の注意点、効率よく探す方法について分かりやすく解説します。

格安中古物件を購入するメリットとデメリット

まずは、格安中古物件を購入するメリット・デメリットをみていきましょう。

メリット・デメリットには以下のようなことが挙げられます。

メリットデメリット
・購入コストが低い
・物件の選択肢が広がる
・リノベーションで自分好みにできる
・築年数が古くメンテナンス費用がかかる可能性がある
・耐震性など構造上の問題がある可能性

メリット1:購入コストが低い

格安中古物件の最大の魅力が、価格の安さです。

格安物件の明確な定義はありませんが、一般的に相場よりも2~3割以上低い物件が格安物件といわれます。

相場よりも安い価格で購入できる分、余った予算を別のことに回すことが可能です。

また、物件の購入価格を抑えられると、それに付随する費用を抑えることにもつながります。

物件購入時の主なコストには以下のようなものが挙げられます。

  • 仲介手数料
  • 不動産取得税
  • 印紙税
  • 所有権移転登記費用 など

これらの費用は、購入価格や不動産の評価額によって価格が変動します。

例えば、不動産会社への仲介手数料は「(800万円超えの取引の場合)購入額×3%+ 6万円+消費税」なので、購入額が低ければ仲介手数料も下がります。

不動産取得税や所有権移転登記の登録免許税も、不動産評価額を基準に税率を乗じるため価格が低い不動産は税額も低くなるのです。

物件価格だけでなく購入時のトータルコストを抑えられるので、資金計画が立てやすく、浮いた分を購入後のリフォームや生活費に回すといったことも検討しやすくなるでしょう。

購入時のコストによっては、住宅ローンを借りずに自己資金のみで検討できる点も魅力といえます。

メリット2:物件の選択肢が広がる

格安物件も家購入の選択肢に含めることで、家選びの幅が広がります。

新築で良い立地を探そうとすると、予算を高くする必要があるうえ、そもそも条件の良い土地がなかなか見つからないケースも少なくありません。

一方、中古住宅であれば、条件のよい立地であっても売りに出ている可能性もあるでしょう。

格安物件であれば、条件の良い土地であっても建物の費用を抑えやすいので、予算内に収めやすくなります。

新築や築浅の中古物件だけでなく、格安物件まで視野に入れることで物件の選択肢が増え、希望の条件の家を見つけやすくなるでしょう。

メリット3:リノベーションで自分好みにできる

格安物件なら購入費用を抑えた分、リノベーションに費用を割くことが可能です。

ちなみに、リフォームとリノベーションの違いは以下の通りです。

  • リフォーム:元の状態に戻す
  • リノベーション:より性能の良いものに改修する

リノベーションで間取りなどを変更すれば築年数の古い家や状態の悪い物件であっても、新築同様にきれいにできます。

また、物件の良さを活かして新築にはない個性を出したり、自分好みの空間にするなども自由です。

リノベーションは一般的にリフォームよりも費用が高額になりますが、格安物件で購入費用を抑えられる分、リノベーションも検討しやすくなります。

「新築注文住宅でないから自分のこだわりを反映できない」と諦める必要はなく、格安物件を自分好みに生まれ変わらせるという選択も検討するとよいでしょう。

デメリット1:築年数が古くメンテナンス費用がかかる可能性がある

格安物件は基本的に築年数が古い物件がほとんどのため、住むために大規模なリフォーム・リノベーションが必要になるケースが一般的です。

仮に、購入時に大規模な修繕が必要なくても、購入後にすぐに何かしら修繕が必要になってくるものです。

物件購入額を抑えられても修繕費用でトータルコストが高くなる可能性があるため、トータルコストや長期的なコストまで考慮して資金計画を立てるようにしましょう。

デメリット1:耐震性など構造上の問題がある可能性

築年数が古い物件の場合、適用されている耐震基準に注意が必要です。

耐震基準は以下の3つがあります。

  • 1981年5月31日以前:旧耐震基準
  • 1981年6月1日~2000年5月31日:新耐震基準
  • 2000年6月1日以降:新耐震基準(2000年基準)

現行の耐震基準は、新耐震基準を木造住宅を中心により厳しくした内容である「2000年基準」の新耐震基準です。

格安物件の場合、旧耐震基準が適用されているケースも珍しくありません。

旧耐震基準だからといって必ず地震で倒壊するわけではないですが、新耐震基準・2000年基準に比べると倒壊リスクは高くなります。

また、築年数が古い物件は、雨漏りやシロアリ被害・傾きなど構造に問題を抱えているケースも少なくないものです。

ただし、耐震補強や構造のリフォームなどで、築年数が古くても問題がないケースもあります。

購入を検討する際には、見た目の問題だけでなく目に見えない構造などもプロに見てもらうなどしてチェックするようにしましょう。

格安中古物件を見つけるための効果的な方法

格安中古物件を購入したいといってもどこで購入できるのでしょうか?

ここでは、格安中古物件を見つける効果的な方法として以下の3つを紹介します。

  • 不動産ポータルサイトを活用する
  • 不動産業者とのネットワークを広げる
  • 不動産会社所有の買取再販物件を検討する

不動産ポータルサイトを活用する

大手不動産ポータルサイトなどでも、近年は地方の物件や格安物件を掲載しているところも増えているので、ポータルサイトで見つけられる可能性があります。

ポータルサイトなら価格や間取りなどの条件が整理されているので検索しやすく、効率よく希望の物件も探すこともできるでしょう。

自分の好きな時間で検索できるという点も魅力です。

ただし、格安中古物件は不動産会社も積極的に取り扱っていないため、検索してもヒットしない可能性もあります。

複数のサイトで検索することや、次に紹介するような方法とも組み合わせるとよいでしょう。

不動産業者とのネットワークを広げる

不動産会社の担当者など不動産の情報を持っている人とのネットワークで紹介してもらう方法もあります。

まずは、不動産会社に足を運んで物件を紹介してもらうとよいでしょう。

地方の物件や格安物件などは、サイトに掲載していないケースも少なくないため、直接問い合わせることで思わぬ好条件の物件に出会える可能性もあります。

その場で物件を見つけられなくても希望の条件を伝えておくことで、いい物件が出てきた際に紹介してもらえるケースもあります。

不動産会社所有の買取再販物件も検討する

買取再販物件とは、不動産会社などが買い取ってリフォーム・リノベーションして販売している物件です。

売値としては格安物件程安くはありませんが、すでにリフォームされているためリフォーム費用は不要になります。

また、仲介手数料が不要になるケースもあるので、トータルコストでは格安物件を購入してリフォームするのとそれほど変わらない可能性もあるでしょう。

不動産会社が購入してきちんと検査し・リフォームしているため、個人の売主から格安物件を購入するよりも安心できるという魅力もあります。

格安物件をリフォームすることまで検討しているなら、買取再販物件も視野に入れることで選択肢が増えるでしょう。

格安中古物件の購入前に確認すべき注意点

格安中古物件は格安になる理由があるものです。

価格の安さだけで購入を決めてしまうと、購入後に後悔する恐れもあるので注意しましょう。

ここでは、格安中古物件の購入前に確認すべき注意点として以下の3つを解説します。

  • 物件の耐震性を確認する
  • 設備劣化状況を確認する
  • 土地の形状や接道状況を確認する

物件の耐震性を確認する

先述のとおり、築年数の古い物件は耐震性に不安を抱えているケースがあります。

適用されている耐震基準や耐震補強などの履歴をチェックして、耐震性を確認するようにしましょう。

また、旧耐震基準の場合、住宅ローンが組めない金融機関がほとんどです。

資金の面でも不都合が生じやすいので注意しましょう。

設備の劣化状況を確認する

築年数の古い物件は、水回りなどの設備の劣化も進んでいます。

劣化状況によっては大規模なリフォームが必要になってくるので、事前に劣化状況を把握することが大切です。

物件の間取りや構造・立地によっては設備の交換やリフォームが難しいケースも少なくありません。

例えば、最新式のシステムキッチンに交換しようとしたら、間取りの都合上設置できなかったというケースも多いものです。

劣化状況と一緒にリフォームできるかどうかまで、確認するようにしましょう。

土地の形状や接道状況を確認する

格安物件になる理由の一つに、「再建築不可物件」というものがあります。

再建築不可物件とは、今ある建物を解体すると新築できない土地のことです。

現行の建築基準法では、建物を建てるために「幅4m以上の道路に2m以上接する」必要があります。

しかし、昔ながらの土地や分譲でできた土地などでは、前面道路の幅が狭い・間口が足りないなどで接道義務を満たせない可能性が高くなるのです。

接道義務を満たせない場合、現行の建築基準をクリアできないため新しい建物の建築ができません。

そのため再建築不可物件は、購入後に買主が自由に活用できないため価格も安くなるのです。

また、再建築不可ではなくても土地の形状が悪いなどの理由で安値になるケースも少なくありません。

土地の形状が悪いと、購入後の希望の建物を建てられないなどの不都合が生じやすいので注意しましょう。

格安中古物件は、価格の安い理由を必ず確認して購入後の問題が起きないかまで判断することが大切です。

格安中古物件購入時のトラブルを避けるための対策

ここでは、格安中古物件購入でのトラブルを避けるための対策として以下の3つを解説します。

  • 隣接地や近隣住民とのトラブルを確認する
  • 購入前に物件の管理状況を調査する
  • 購入後のメンテナンス計画を立てる

隣接地や近隣住民とのトラブルを確認する

購入後に隣接地の所有者や近隣住民とトラブルになると、簡単には引っ越しもできないためストレスとなりかねません。

トラブルになりそうなことはないか、できるだけ事前に確認しておくことが大切です。

隣接地の所有者とトラブルになる大きな原因は、境界線や通行の問題でしょう。

購入時に境界線が明確になっているか、通行で隣地を通る必要があるのか?、ある場合は通行料などが発生しないのかまで確認する必要があります。

近隣トラブルについては、購入前に周囲を歩いてみる・近くに住んでいる知り合いに聞く・売主に確認するなどで、トラブルが起きていないかを確認することが大切です。

購入前に物件の管理状況を調査する

適切に管理されていた物件であればそれほど傷みが進んでおらず修繕個所も少なくなります。

水回りの状況や外壁ヒビ、室内のキズや傷みなどの状態やそれまでの管理について確認しておきましょう。

管理状況を調査する際には、目に見える部分だけでなく構造や壁の内部といった目に見えない部分もチェックすることが大切です。

見た目にはきれいでも構造の劣化が激しいというケースは少なくありません。

調査する際には、インスペクションなどを活用すると、より正確に家の状態を確認できるでしょう。

購入後のメンテナンス計画を立てる

家は購入してからも費用がかかります。

格安物件は購入時の価格を抑えやすい反面、次のメンテナンス時期が近く・規模が大きくなるなどでメンテナンス費用が高額になる可能性があります。

「初期費用は抑えられたけどトータルのコストは高くついた」というケースは珍しくありません。

前回のメンテナンス時期や箇所を確認し、次のメンテナンスの時期や費用などを長期的に計画したうえで検討することが大切です。

まとめ

格安中古物件は価格が安く、価格を抑えた分でリフォームできるなど魅力があります。

しかし、築年数が古く構造に問題がある・再建築不可物件であるなど格安である理由もあるものです。

格安中古物件の購入を検討する際には、価格の安さだけでなくこの記事で紹介した注意点なども踏まえて購入後の後悔のないように慎重に判断するようにしましょう。

このびはJR西日本グループの不動産買取再販サービス

このびでは、地域で使われてきた家を買取し新しい形で生まれ変わらせて次の家族にバトンタッチする手伝いを行っています。

中古物件の売却を検討しているなら、まずはこのびにお気軽にご相談ください。

本記事の監修

戸建買取再販事業部 事業部長森一也

鉄道を通じて地域の発展に貢献したいとの思いから、JR西日本に入社後、鉄道電気設備の維持・管理業務に携わる。
鉄道だけでなく幅広く地域の発展に貢献したいとの想いから、不動産の買取再販を行うこのびに参画。
鉄道業務で培った高い安全性・信頼性を自身の価値観とし、お客様との信頼関係構築を第一に、一人ひとりに寄り添った提案をすることを大切にしている。
このびでは営業・リフォーム・販売の経験を持ち、現在は事業統括・推進を行っている。
「このび」を通じてお客様に豊かな生活を提供することで、地域の発展に貢献したいと考えている。
子育て真っ盛りの1児の父。趣味はキャンプ。

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