相続した不動産を売却したい!不動産を分割する4つの方法とは?特徴と注意点を解説
不動産が遺産として遺された場合、相続人が複数いるとトラブルの原因になることがあります。不動産は現金のように1円単位で分割できません。また、不動産...
中古戸建ての販売活動を行っている方の中には、「家がなかなか売れない」「家を維持するのが大変なので、早く売りたい」と考えている方もいるかもしれません。
すでに新しい住居を確保している場合や、住まない中古戸建てを相続した場合など、家がなかなか売れないと維持費や税金の負担が大きくなってしまいます。
しかし、その一方で、売れている中古戸建てが存在するのも事実です。中古戸建てを売る際に重要なのは、売れない中古戸建ての特徴を理解し、その対策を講じることです。
この記事では、売れない中古戸建ての特徴と、売るための方法について詳しく解説します。最後まで読んで、実行できる対策を試してみてください。
中古戸建ての売却は一般的に難しいとされています。理由の一つは、日本人が「新築信仰」と呼ばれるほど新築物件を好む傾向が強いからです。
日本の不動産市場では、流通している物件の約6割が新築であり、このことからも日本人の新築志向がうかがえます。
しかし、中古戸建ても決して売れないわけではありません。中古戸建てには独自の魅力があり、一定の需要が存在します。では、中古戸建ての平均的な販売期間はどのくらいなのでしょうか。
一般的には、仲介経由で売却する場合、中古の戸建てに関しては約100日程度が掛かると言われています。これは、契約者が見つかるまでの期間となるため、実際の売却の完了となると、約半年~10カ月程度掛かると覚えておくと良いでしょう。
一方で、買取の場合にはあくまでもプロの不動産会社の判断で金額が決まるため、金額出しについては長くても2週間程度で、実際の売却完了までは1~2カ月程度と仲介に比べて短期で完了することを覚えておくと良いでしょう。
中古戸建ての売却には平均して約3ヶ月かかることがわかりました。しかし、これはあくまで平均であり、すべての物件が3ヶ月で売れるわけではありません。
レインズ登録後すぐに売れる物件もあれば、1年以上売れない物件も存在します。
では、売れない中古戸建てを長期間所有し続けると、どんなリスクがあるのでしょうか。主に以下の4つのリスクが考えられます。
土地や建物には「固定資産税」が課され、所有者は毎年物件所在地の市区町村に税金を納める義務があります。
固定資産税は「その年の1月1日時点の所有者(土地登記簿などに物件の所有者として登録されている人)」が支払うことが求められます。
中古戸建てが売れないと、所有者は固定資産税を払い続けることになり、さらに維持費も加わるため、負担が大きくなります。中古戸建てを売ると決めたら、早期に売れるような対策を取りましょう。
空き家の場合、住人がいる時よりも劣化が早まります。購入希望者に空き家を売るために、老朽化した部分を修繕する際には、大規模な工事が必要となり、売り手の負担が増大します。
空き家の劣化が早い原因としては以下の4つが考えられます。できるだけ買い手が見つかるまでは住んでいた方が良いですが、難しい場合はこれらの対策を行い、老朽化を防ぎましょう。
売れ残った物件はどんどん古くなります。古くなった家屋は近隣住民にとって迷惑となることを理解しておきましょう。
具体的な悪影響として以下の5つが考えられます。
古くもろくなった家屋が倒壊し、近隣住民の家屋に損傷を与える可能性があります。
火災で延焼したり、強風で屋根が飛散して近隣住民の家屋に被害を与える可能性があります。空き家の火災は基本的に所有者には責任がなく、近隣住民にとって大きな迷惑となるでしょう。
管理が行き届いていない空き家では、湿気などによりシロアリが発生し、近隣の家屋に被害を及ぼす可能性があります。
不審者が侵入し勝手に電気や水道を使うことや、犯罪取引の場所になる可能性があります。
状態の悪い空き家が存在するだけで、近隣不動産の価値を下げてしまいます。
人が住んでおらず、売れ残っている物件は行政から「特定空き家」に指定される可能性があります。「特定空き家」に指定されると、行政の指導に従わなければなりません。
助言や指導を受けても改善しなかった場合、勧告を受けることになり、勧告を受けた空き家は住宅用特例の対象外となり、固定資産税の軽減措置が適用されなくなります。
宅地の場合、固定資産税の軽減措置により通常の固定資産税の1/3または1/6に軽減されています。この軽減措置が外れることで、固定資産税が3倍または6倍になり、売り手にとって大きな負担となります。
ここからは、中古戸建てがなぜ売れないのか、そして売れる可能性を高めるためにはどうすれば良いのかについて解説します。
まず、立地条件が悪いために売れない理由について見ていきましょう。主な原因としては以下の2点が挙げられます。
これらに該当する場合、それを補うセールスポイントを見つけるなど、販売戦略を練ることが重要です。
特に都市部では、「駅から離れている物件」は売れ残りやすい傾向があります。以下に都道府県別の通勤・通学時間を示します。
それを見ると、全国平均の通勤・通学時間は1時間19分であり、一番長い神奈川県では1時間40分です。
駅から遠い物件は通勤・通学に時間がかかり、時間的な負担が大きくなるため、敬遠されることが多いです。
参考:総務省統計局|令和3年社会生活基本調査生活時間及び生活行動に関する結果
駅から遠い物件を売却するためには、その物件の魅力をしっかりとアピールする必要があります。以下の8つのポイントを強調することで、購入希望者にとって魅力的な物件にすることができます。
特に駐車場がある物件は、車通勤者にとって大きな魅力となります。
手持ちの戸建てが建築基準法の接道義務を満たしていない場合、いったん取り壊してしまうと再建築できなくなります。
具体的には、「戸建ての建つ土地が4m以上の幅員の道路に2m以上接していない」場合が該当します。
将来的に再建築を考える購入希望者にとって、再建築不可の物件は魅力が低くなります。
建築基準法を満たしていない場合、隣人に買い取ってもらえないか相談するのが一つの方法です。
隣人が買い取ることで、道路と土地の接地面積が広がり、建築基準法を満たす可能性があります。
ただし、高値での売却は期待できませんが、売れ残ったまま維持費や固定資産税を払い続けるよりは良いと考える人もいるでしょう。
また、建築不可の物件は資産価値が低いため、課税評価額も低く、固定資産税が安いことが多いです。
そのメリットを活かして賃貸として活用するのも一つの手です。賃貸であれば、通常借り手は再建築不可かどうかを気にしません。
次に、「建物」が原因で売れない場合について解説します。以下の3つの理由が考えられます。
これらのいずれかに該当する場合、それぞれの対策を実施してみてください。
戸建てを購入するということは、長期間その土地に住むことを意味します。そのため、立地が良い物件の方が売れやすいです。「その街に住みたい」「その物件に住みたい」という需要が少なければ、物件はなかなか売れません。
例えば、過疎地で人口流入が少ない土地の中古戸建てや、築年数が古いものは売りにくい傾向にあります。以下のような場所は需要が少ないと考えられます。
需要が少ない場所にある物件は、「セカンドハウス」としてアピールすることをお勧めします。セカンドハウスは、最低でも月に1回以上使用するもう一つの家のことです。別荘とは異なり、セカンドハウスとして売り出すことで、固定資産税や都市計画税、不動産取得税に軽減税率が適用されるため、購入希望者の購買意欲を高めることができます。
木造住宅の法定耐用年数は22年、コンクリート住宅は47年です。築20年以上経った物件の建物部分の資産価値はほぼ0となってしまいます。したがって、築年数が古い物件への需要は高くありません。フルリノベーション目的で購入希望者がいても、売却価格を安くしないと売れません。
築年数が古い物件は、リフォームやクリーニングを行うことで購入希望者の意欲を高めることができます。購入希望者のほとんどは一般の個人客です。汚い家やメンテナンスされていない家は避けられます。「前所有者がきちんと丁寧に住んでいた家」を求める人も多いので、物件の不具合(雨漏り、白アリ被害など)の対処や、汚れた壁紙の張り替え、水回りのクリーニングを行うことで印象は変わります。ただし、必要以上にリフォームすると赤字になるため、注意が必要です。
インスペクション(建物状況調査)を実施することも一つの手です。柱や基礎、壁、屋根などの構造部分や、外壁や開口部などの雨水の浸入を防止する部分を専門家が調査します。インスペクションを行うことで建物の状況を詳細に把握でき、購入希望者の不安を解消することができます。また、瑕疵担保保険を付与するとさらに売れる可能性が高まります。
物件の販売価格が相場より高い場合は、売れにくくなります。多くの人はできるだけ高く売りたいと思いますが、中古戸建てを求める人の多くは「安さ」を重視します。複数の物件を比較する購入希望者にとって、割高な物件は敬遠されがちです。近隣の同条件の戸建て価格を調べ、自分の物件の販売価格が高ければ、価格を見直すことを検討しましょう。
周辺の物件より販売価格が高い場合は、価格を見直すことを検討しましょう。値下げをする際は購入希望者にお得感を与えることが重要です。小刻みに値下げを繰り返すより、一度だけ大幅に値引きした方が購入希望者にとって魅力的です。適切な値下げ方法は物件によって異なるので、不動産会社に相談するのが良いでしょう。
物件が大きすぎたり、小さすぎたりする場合も売れ残りやすいです。購入希望者は理想の大きさや広さを把握しているため、イレギュラーなサイズの物件は敬遠されがちです。以下にそのような物件のデメリットと対処法を示します。
物件のタイプ | デメリット | 対処方法 |
---|---|---|
広すぎる、大きすぎる | 税金が高い、光熱費がかかる、掃除が大変、防犯上の不安など | 適当な大きさに区切る、不動産会社に買取を依頼する、外国人や個人投資家も視野に入れるなど |
小さすぎる、狭すぎる | 部屋が狭く物が置けない、子供部屋がないなど | 買取会社に買取を依頼する、隣地を買い取る、小さいゆえのメリットをアピール |
物件自体に問題があったり、周辺環境が悪かったりする場合でも、販売戦略次第で売ることは可能です。例えば、都心の小さい中古戸建てはDINKs世帯にアピールできますし、中心部から少し離れた物件はセカンドハウスとしての用途に合うかもしれません。不動産会社と協力して、効果的な販売戦略を立てましょう。
次に、中古戸建てが売れない原因が「売主」にある場合について解説します。売主の管理が行き届いていなかったり、内覧時の対応が不適切であったりすると、購入希望者の購入意欲が低下してしまうことがあります。
ここでは、以下の2つの原因について詳しく解説します。物件を販売する際は、購入希望者の気持ちを第一に考えることが重要です。
まず、「内覧時の売主の対応が悪い」という問題があります。
自分が購入希望者の立場で考えてみてください。新しい家を購入するという楽しみな気持ちで内覧に行きますが、そこで対応者がそっけなかったり、質問に対して親身になって答えてくれなかったりすると、どう感じるでしょうか?
購入希望者は非常に嫌な気持ちになり、いくら物件の条件が良くても、対応が悪ければ購入意欲がなくなります。その結果、その人が住んでいた家には住みたくないと思ってしまいます。
また、態度が良くても、内覧時に売主がたくさん話しかけてくると、自由に内覧できず、見たい場所が見られなくなってしまいます。購入希望者に自由に気持ちよく内覧してもらうためには、あまり視界に入らないようにし、必要な時だけ話すようにしましょう。
売主は、購入希望者の内覧をできるだけ邪魔しないようにするべきですが、ただ見ているだけでは物件の良さをアピールできません。内覧時に購入希望者から周辺の環境や物件の特徴について質問されることがあります。その際には、詳しく答えられるように準備しておくことが大切です。
購入希望者が知りたがっている情報を以下にまとめましたので、内覧対応の際の参考にしてください。
内覧時に部屋が汚かったり散らかっていたりすると、いくら物件の条件が良くても、購入希望者の購入意欲が下がってしまいます。
築年数が20年以上の物件を購入しようとしている人の中には、リフォームやリノベーションを考えている人も多くいます。この場合、内覧時の物件の状態はその後の生活に直接関係しないかもしれません。しかし、「前所有者が乱雑に使っていた家」という印象は不安要素になります。
清潔感のない人、家を雑に扱う人から物件を積極的に購入したいと思う人は少ないでしょう。内覧時は、購入希望者が「ここに住みたい」と思えるように、綺麗に掃除しておくことが大切です。
物件を売却する際は、清潔感を大切にしましょう。古い家でも清潔に保たれ、大切にされてきた家であれば、購入希望者の興味を引くことができます。
空室にしてクリーニングを施し、生活感をなくせるのが理想ですが、引っ越し費用や家賃などの出費がかさむため、簡単にはできない場合もあります。居住中であっても、「こまめに掃除する」「匂いに気を付ける」「整理整頓する」などの工夫で、購入希望者に良い印象を与えましょう。
物件を清潔に保つことは、売主の信用にもつながります。これを意識して、物件の魅力を高める努力をしましょう。
いかがでしたでしょうか。
今回の記事では、売れない中古の戸建てについて、立地条件、建築、売主、等の観点から解説してきました。
不動産は文字通り、土地に固着していることから、立地条件や建築などの条件はほとんど大きくは変えることは出来ません。
一方で、売主としての立場や態度等は意識や準備によって変えることも出来るので、売却に困っている物件については取り組んでみると良いでしょう。
株式会社JR西日本イノベーションズが運営する「このび」は不動産の買取再販サービスです。
売却において、このびでは査定から売却まで最短で1カ月で手続きを行うほか、築古物件や仲介経由では買い手がつかなかった物件でも買取を行うことが出来ます。
自宅の売却に関する相談がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
鉄道を通じて地域の発展に貢献したいとの思いから、JR西日本に入社後、鉄道電気設備の維持・管理業務に携わる。
鉄道だけでなく幅広く地域の発展に貢献したいとの想いから、不動産の買取再販を行うこのびに参画。
鉄道業務で培った高い安全性・信頼性を自身の価値観とし、お客様との信頼関係構築を第一に、一人ひとりに寄り添った提案をすることを大切にしている。
このびでは営業・リフォーム・販売の経験を持ち、現在は事業統括・推進を行っている。
「このび」を通じてお客様に豊かな生活を提供することで、地域の発展に貢献したいと考えている。
子育て真っ盛りの1児の父。趣味はキャンプ。