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今回は中古物件に関する住宅ローン控除について解説していきます。
流れとしては以下の通りとなります。
ここからはそれぞれについて解説していきます。
目次
住宅ローン控除とは、10年以上の期間で住宅ローンを使用し、特定の住宅を購入、新築、または増改築した際に、所得税や住民税が最大13年間減額される制度です。
この控除は新築や中古の区別なく、戸建てやマンションに適用されます。
控除額は年末の住宅ローン残高の0.7%で、所得税からまず控除され、不足分は翌年の住民税から控除されます。
ただし、この控除を受けるには単にローンを借りるだけでは不十分で、入居の翌年に確定申告が必要です。
確定申告は2月16日から3月15日に行いますが、会社員の場合、1月4日から手続きが可能です。
会社員で給与所得のみの場合、初年度に確定申告を行えば、2年目以降は年末調整で控除を受けられます。
参照:国税庁 No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)
中古戸建てや中古マンションの住宅ローン控除において、以前は耐火住宅は築25年以内、非耐火住宅は築20年以内という要件がありましたが、これらの築年数の制限は廃止され、新たに新耐震基準への適合が必要な条件となりました。
1982年以降に建築された住宅は、新耐震基準に適合しているとみなされ、控除の対象となりますが、1981年以前に建築された住宅は耐震基準適合証明書の提出が求められます。
この証明書は、住宅が現在の建築基準法の耐震基準を満たしていることを示します。
この改定により、築年数に関係なく新耐震基準を満たしていれば控除を受けられるため、中古物件の購入の障壁が低くなり、より多くの物件が住宅ローン控除の適用対象となりました。
2022年の税制改正では、住宅の省エネ基準に応じて住宅ローン控除の限度額に差を設けました。
新築や買取再販の区分は、以前の認定住宅(長期優良住宅または低炭素住宅)とその他の住宅から、「ZEH水準省エネ住宅」と「省エネ基準適合住宅」を加えた4つのカテゴリーに細分化され、新たな区分ごとの限度額は以下の通りになりました。
省エネ基準 | 改正前 | 2022・23年入居 | 2024・25年入居 |
---|---|---|---|
認定住宅 | 500万円 | 455万円 | 409.5万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 400万円 | 409.5万円 | 318.5万円 |
省エネ基準適合住宅 | 400万円 | 364万円 | 273万円 |
その他の住宅 | 400万円 | 273万円 | 140万円(※) |
中古住宅についても区分が認定住宅等(認定住宅+ZEH水準省エネ住宅+省エネ基準適合住宅)とその他の住宅に変更され、入居年による限度額の違いは設けられていません。
省エネ基準 | 改正前 | 2022~25年入居 |
---|---|---|
認定住宅等 | 300万円 | 210万円 |
その他の住宅 | 200万円 | 140万円 |
この改正により、省エネ性能が高い住宅の購入がさらに促進されることを目指しています。
参照:国税庁 No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)
住宅ローン控除には複数の適用条件があります。
投資目的の物件や一人暮らし向けのコンパクトな物件では恩恵を受けることが出来ません。
その上で以下のような条件があります。
ここからはそれぞれについて解説していきます。
住宅ローン控除適用の最重要項目として、自らが居住していることが挙げられます。
自らが居住しているという定義は、住宅の取得後6か月以内にその住宅に入居し、控除を受ける年の12月31日までその住宅に居住していることです。
居住の事実は住民票に基づいて確認されます。
減税が適用される住宅は床面積が50㎡以上でなければなりません。
この面積は広告で見るものとは異なることがあり、不動産登記簿上の記載面積で確認する必要があります。
登記簿での面積の測定方法は、戸建て住宅では壁心面積(壁の中心線から測る面積)、マンションでは内法面積(壁の内側の面積)として測定されます。
2022年の税制改正で、住宅ローン控除の築年数条件が大幅に緩和されました。
改正以前は、木造住宅が築20年以内、鉄筋コンクリート造は築25年以内でなければならず、これらの条件を満たさない場合は別途耐震性能を証明する必要がありました。
新基準では、1982年以降に建てられた住宅(新耐震基準に適合)ならば、自動的に控除対象とされ、特に中古住宅の範囲が拡大しました。
住宅ローンの返済期間が10年以上であることも適用の条件となります。
ただ、一般に購入する場合には基本は10年以上が一般的であるので、そこまで厳しい条件では無いでしょう。
住宅ローン減税を受けるには、合計所得金額が2,000万円以下である必要があります。
ここでの「合計所得金額」には給与の他に退職金、株の売買からの利益や配当、先物取引からの雑所得、山林の譲渡で得た収入などが含まれます。
住宅ローンの控除においては、「3,000万円特別控除」や「居住用財産の買い替え特例」を受けていない必要があります。
これらの特例を利用している場合には、当該特例と住宅ローンの併用が出来ないという点を理解しておきましょう。
住宅ローン控除の確定申告は、通常、入居した年の翌年の2月16日から3月15日までに行います。
最初の年は確定申告が必要ですが、2年目以降は給与所得者の場合、年末調整で処理するため追加の確定申告は必要ありません。
初年度に関しては、マイナンバーがあれば国税庁が運営する「e-tax」にて申請が可能です。
その際に必要な書類としては以下の通りとなります。
必要書類 | 発行先 |
---|---|
住宅ローンの残高証明書 | 借入した金融機関 |
源泉徴収票 | 勤務先 |
登記事項証明書 | 法務局から入手 |
不動産売買契約書の写し | 不動産会社との契約書類 |
本人確認書類の写し | マイナンバーカードや運転免許証にて対応 |
また、上記に加えて築20年を超える中古一戸建てや築25年を超える中古マンションを購入する場合、耐震基準適合証明書や住宅性能評価書のコピーが必要です。
これらの書類には別途費用が発生することもあるので、不動産会社に確認が必要です。
さらに、認定住宅などの場合には、その認定を証明する書類も不動産会社から取得することが求められます。
住宅ローンを使用して行われる増築やリフォームも住宅ローン控除の対象になります。
この控除には、借入金額の上限が2,000万円、控除率が0.7%、控除期間が10年の条件があります。この借入限度額は、年末の住宅ローン残高の最大値を指します。
自治体からの補助金を受けた場合、補助金を差し引いた後の工事費が控除の対象になります。
対象となる主なリフォームは、戸建てやマンションの改修で、補助後の工事費が100万円を超える場合です。
中古の戸建てやマンションを購入し、同時にリフォームを予定している場合は、リフォーム一体型ローンがお勧めです。
通常のリフォームローンと比べて、リフォーム一体型ローンは期間が最長35年と長く、低金利の利点があります。
参照:国税庁 No.1216 増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
最後に、直近の令和6年3月28日に国会にて成立した、令和6年度税制改正における住宅関係税制について解説していきます。
子育て世帯への支援強化の必要性や、現下の急激な住宅価格の上昇等の状況を踏まえ、閣議決定された令和6年度税制改正の大綱に住宅ローン減税の制度変更等が盛り込まれました。
※今回の措置は、今後の国会で関連税制法が成立することが前提となります。
参照:国土交通省 住宅ローン減税の制度内容が変更されます!~令和6年度税制改正における住宅関係税制のご案内~
いかがでしたでしょうか。
住宅ローンについては中古住宅においても条件次第では適用されるため、市場の活性化が進んでいます。
また、贈与税や所得税の非課税特例措置も継続的であることから、国としても中古住宅市場の活性化を進めたい意向が伺えます。
一方で、物件の購入の際に既に住んでいる住宅から引っ越しを考えている方も多いのではないでしょうか。
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このびでは営業・リフォーム・販売の経験を持ち、現在は事業統括・推進を行っている。
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子育て真っ盛りの1児の父。趣味はキャンプ。